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小説*カナデとウタ完

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歌手になりたい主人公、ウタと、幼なじみでちょっと抜けてる?カナデの物語。
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2019年6月の記事一覧

カナデとウタ10

マクドナルドの時計を見たウタは、びっくりして言った。 「てゆーか!授業はじまるじゃん!!」 「ほんとだ!急ごう!」カナデも慌てて立ち上がる   2人で大学の中を走る ウタは、やっぱりカナデといると居心地がいいな、とふと思った。 ある日の授業おわり カナデがこんなことを言い出した 「ウタ、カラオケ行こう!」  いいけど カナデと2人でカラオケに行くのは初めてだ 「ウタの美声もききたいし」 美声、 そういわれると嬉しくてニヤニヤしてしまう ウタは以外と

カナデとウタ11

カラオケ 「ウタは、歌手になりたいんだよね」とカナデ 「え?」 「え、違うの?」 「なりたかったけど、いまは、、 わかんない」ウタは困ったような顔で笑った。 「そっか こんなにうまいのに、もったいないよ」 もったいない、か。。 「そうだ!一緒に文化祭に出ようよ!」 カナデは言った。 ウタは、 一瞬、わくわくした。 けど、すぐにうつむいて、いった。 「出なくて、いいよ」 帰ろ。 ウタは、帰る準備をし始めていた。 う、うん ちょっとまって!

カナデとウタ12

大勢の観客たち。 空は快晴。 野外ステージで気持の良い風がふいている。 観客たちの目は、ウタに釘付けだ。 ウタは、思いっきり歌っている。自由に。 思うように声が出ている。いつかの軽音部のライブとは大違いだ。とても、楽しく、のびのびと歌える。 まるでカナデといる時みたいにリラックスしている。 観客のみんなは、男の子も、女の子も、みんな笑顔でこっちを見ている。歓声を送ったり、リズムにのったり、みんな楽しそうだ。軽音部のみんなもいる。 ああ、よかった。 ぱちっ

カナデとウタ13

「ねえ、ウタ!聞いてる?」 「あ、ごめん.きいてなかった。」 「もうー、それで結局そいつ、15日行けないとか言い出してー、」 「へー、なんで?」 「知らなーい、仕事が入ったんだって。もうやめようかな、この男。」 「ユキは、その人のこと好きなんだっけ?」 「んー、好きだったけど、わかんなくなってきたあ。 グッチのカバンも買ってくれないし。」 「あー、じゃあやめたらー?」 ウタは、学食で、大学で友達になったユキと喋っている。 なんか、くだらないなぁ ウタは、

カナデとウタ14

文化祭前日 ウタは、サークルに入っていないので、何も準備はない。 高校の軽音部をやめて以降、なんだか新しく始める気も起きずに、だらだら過ごしてきたのだった。 文化祭に向けて準備するみんなを見てるのはちょっと辛かった。 みんな充実していて、やりたいことをやっていて、楽しそうだったから。 おーい カナデだ。 「あ、カナデじゃん。」 「おつかれ」とウタは言った。 「おつかれー」とカナデも返した。 「明日、きいてよね!」カナデはにっこり笑った うん!ウタもつられ