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教えて秋月さん② 俳句の作り方
こんにちは、秋月祐一です。
このnoteの読者の方から、
ぼくの俳句の書き方について知りたい、
というリクエストをいただいたので、
先日、妻のこうさき初夏との共作として挙げた、
日照雨ふる初夏の婚姻届かな
という句ができるまでのやりとりを公開します。
入籍が間近になったある日、
こうさきから「俳句を作ったの、ふわふわ」
というメールが届きました。
こうさきは日ごろ短歌を書いていて、
ぼくの俳句は読んでくれるけど、
自分では書いたことがありませんでした。
入籍の高揚感が、
彼女をして俳句を書かしめた、とも言えましょう。
その句は、
初夏の婚姻届汗おちる
「そなさん、感じは伝わってくるけど、
汗も夏の季語なのよ。初夏と汗で季重なりだね」
「うっ……」
次にこうさきから届いた改作案は、
初夏の婚姻届部屋干しの
初夏の婚姻届皺が寄り
うーむ、どちらにも、
俳句特有の「切れ」がありません。
初夏の婚姻届 + ( 下 五 )
というかたちが、
彼女の発想を縛っているような気もしたので、
○○○○○初夏の婚姻届かな
というかたちにもできるよ。
「かな」を使う場合は、途中で切れを入れないこと。
というメールを送りました。
「初夏」という季語は「はつなつ」と「しょか」
二通りの読みが可能なんですね。
こうさきの改作案。
部屋干しの初夏の婚姻届かな
あれ、まだ部屋干しにこだわっている。
洗濯物を部屋干ししている部屋で、句を作っているのかな?
「なにか別の案はない?」とリクエストしたところ、
届いた改作案が、
どしゃ降りの初夏の婚姻届かな
そ、そなさん、マリッジブルーなのかしら?
ここで、ぼくから提案。
「日照雨ふる、とかどう?」
「日照雨ってなに?」
「そばえ、天気雨のこと」
「とてもいいの!」
こうしてできあがったのが、冒頭に掲げた共作です。
日照雨ふる初夏の婚姻届かな こうさき初夏/秋月祐一
*日照雨/そばへ
あくまでも一例にすぎませんが、ご参考になれば幸いです。