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俳句「いつしんに」

こんにちは、秋月祐一です。
短歌の話題がつづいたので、今日は夏の俳句を。

それぞれの句の季語を挙げておくと、

棕櫚(しゆろ)の花

空梅雨(からつゆ)
夏帽子
泳ぎ
夏座敷
我鬼忌(芥川龍之介の忌日)

になります。

句の配列は、ゆるやかに
初夏(5月)→仲夏(6月)→晩夏(7月)と、
季節の推移に沿っています。

お読みになる際のご参考になれば幸いです。


 いつしんに  秋月祐一


引越しの荷ほどき遅々と棕櫚の花

東京の右目のあたり蛇を踏む

空梅雨や鍵ばかり売る古物商

化石掘りしてゐる子らの夏帽子

いつしんに泳いだあとのにしんそば

夏座敷犬は平たくなつてゐる

ポラロイド写真浮きでる我鬼忌かな


(「船団」111号より )

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