魔を呼ぶ者。
20代になってからというものの、
僕は変な人に遭遇する事が多い。
現に京浜東北線に乗車する僕の目の前には、
女おじさん(多様性に準ずるならばジェンダーレスおじさん?)がおられる。
ただ女性への擬態が中途半端で、チリチリのカツラはズレているせいで成れの果て感が凄い。
容姿を確認しようとチラッと目を向けたら、速攻で目が合った。このnoteが最終回かもしれない。サヨウナラ。
一人で遭遇して一番怖かったのは、
川崎駅の喫煙所でエンカウントしたドラゴンおじさんだ。
大学に行く前にタバコを吸っていた僕は、
首元までタトゥーが入ったイカついロン毛のお兄さんに「ごめん、タバコある?」と聞かれた。
特段断る理由もなく、自分も先輩や後輩から貰う事が多々あるのでスッとセブンスターを渡した。正直、断ったらしばかれるんじゃないかと思った。
「セッター吸ってんだ、いいね」
肺に吸い込んだお兄さんは突然火の付いた方を口に咥えて吸い出した。
「これ知ってる?ドラゴン。」
バキバキの目でドラゴン兄貴は立ち去った。
ドラゴン兄さんはそれから見ていない。
一人でも変な人に遭遇するのだが、
noteでも時たま名前を出しているTと一緒の時は遭遇確率が3倍になる。
コロナウイルスが世の中を分断した頃、
それに抗うかのようにTと川崎駅界隈で飲んでいた。
川崎は苦情が来る程度には路上ライブが盛んで、その日も尾崎豊の曲を歌っているお兄さんがいた。
僕達も含めコロナも相まって娯楽がないサラリーマン達がいて、結構な人数それに見入っていた。
「I love you〜〜」
荒削りながらも沁みる歌を聴いていると、端で見えていたおじさんが騒ぎ出した。
「コロナウイルスに負けるな!コロナに負けるな!!!foo↑」
おじさんのズボンのジッパーは全開で、
そこからガーガーチキンの頭が飛び出していた。
腰を振り続けるおじさん。
陰茎のようにブルンブルン揺れるガーガーチキン。
異様な光景に気づいたオーディエンスは、皆そっちのけでおじさんを見た。
刹那、警官3人がおじさんに声を掛けてなし崩し的にライブも中止になった。
全てを破壊したコロナに負けるなおじさん。
コロナ禍の暗い雰囲気をぶち壊した貴重な思い出だ。
これからも変な人もとい特級呪霊を吸い寄せてしまうと思うと、少し気が滅入る。
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