ぼくが大きくなったら…未来に思いを馳せる息子
【チャンさん年中の頃】
夜、電気を消して布団に入ると、チャンさんが感慨深げに話始める。
チャン:
『あのさ・・・、チャンが これから どんどんおおきくなって、うちゅうにとどくくらい、うちゅうより800くらい生きて、おおきくなったらさ・・・』
私:
「うん、チャンさんが800も生きたら、お母さんはもういないかなぁ(笑)」
チャン:
『ウフフ・・・、でもさ、チャンがおおきくなったら、スーちゃんもさ、こどもじゃなくなって・・・
だれもいなくなってさ・・・
そしたらさ、チャンは おんなのこのおともだちと けっこんするの?』
いきなり的を得たというか、悟った様なことを言うなぁ、と思いながら、「うん…そうだね」と答える。
『・・・・・・・・』
沈黙の間に少し寂しそうな空気が漂った気がして、
「そうしたら、チャンに家族ができてさ、子どもがうまれるよ。」
と言うと、
チャン:
『えぇ・・・チャン、こども うめないよぉ』(困笑)
私:
「ハハハ・・・きっと、その女の子がね、一緒に産んでくれるよ。」
チャン:
「そっかぁ。・・・それで、かあさんは おばあちゃんになって、とうさんもおじいちゃんになって・・・」
そう想いを巡らせるチャンさんの顔が、また少し不安気に見えたので、
私:
「チャンさん、でもね、お母さんがおばあちゃんになってもさ、
どうなってもね、
お父さんとお母さんはずーっとチャンさんのお父さんとお母さんだよ。
それはね、変わらないよ。」
と言うと、突如ベロを出して犬と化し、
『ハッハッハッ』と、目をハートにして喜ぶチャンさん。
「あれ?わんこになっちゃった?!」
そう笑う私に安心したのか、チャンさんは布団にくるまり、私に背を向けて眠りについた。
・・・あの夜、急に大人になったチャンさんは、何を思っていたのだろう。
まぁ、最後はわんこだったけど(笑)
あなたはずっと私の息子です。
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