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夜明け前の20分が好きで仕方がない [日記と短歌]23,10,15


薄明がためらいがちに切り離す戻らぬ日々はレールのひかり/夏野ネコ

 

朝型なのかどうかわかりませんが、割と早起きです。まいにち概ね朝の5時半には起きてもそもそと朝食の支度を開始するのですが、調子の良い時はさらに早く、そうですね、4時半くらいには起きだして近所をひと回り、スロージョグとかしていたりします。
ちょうど十月なかばの今の時期、関東地方の夜明けは5時30分前後くらいなのですが、それより前、朝の5時頃、薄明の始まる時刻から20分間くらいの時間がことのほか好きです。

うーん、どう説明して良いやら。
陽が登ってくるダイナミズムも好きなのですが、夜明け前20分の、まだ夜を引きずっている時間の、どこにも属していない感じが好きで、そこに身を置いていると束の間、誰でもない者になれた気がするのです。
もちろん私、夏野は、設定上「誰でもない者」ですが、でもフィジカルレベルでそれを感じられるのは、一日のうちのこの20分に限られて、それはそれは貴重な時間なのです。この時間がずっと止まっていてほしい。

明るくなり切ってしまうともう、今日が、いつもの毎日がスタートしてしまう。薄明の始まらない夜のままだと、昨日という名の今日がまだ続いている。
だから一日の始まる前の、今日だった日と、今日になる日の間の、ほんの少しの間隙に、きっと本当の私を見つめられるんだと、そこにこそ誰でもない私が確実に存在するんだと、信じていたいのです。

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