見出し画像

暑すぎる今年のトマトの管理

とにかく毎日暑い。

動いても、寝ていても暑いし、何をしてもしなくてもとにかく暑い。

そんな暑い中でも少しでも涼しい時間にビニールハウスで作業をしている。

もちろん、涼しいと言ったって日の出の時でもハウス内で25度。

日が上るにつれ温度は容赦なく上昇するので、水分補給し休み、限界だと思う時までの昼前までと、暑いけど少しずつ温度が下がって涼しいかなと思う午後3時くらいから日暮れまでが作業時間になる。

38度くらいまでギリギリ耐え、何時間もずっとは居られないので、こまめに外へ出ると非常に効率が悪い。

けれど中に入らないと仕事かできないので今この時だけと踏ん張っている。

そんな今年のビニールハウスでの大玉トマト栽培は、これからこの暑さが標準になるのだとしたら、全て手探りでトマトの顔色を伺いながらやって、それが基準になるのかもしれない。

トマト栽培で「育苗」がはじめの肝心な作業だとすれば、次に注意するのは一段目の着果だと言われている。

今年は大雨が降った時、育苗ハウスに浸水して苗が水に浸かってしまった。

なので、はじめの段階でつまづいている。

次の大玉トマトの一段目の着果だが、これまた無事着果したものもあれば、一つも着かなかった樹もある。

一段目の着果というのは、実が着いた時の負担で樹勢が落ち着き、次の段からの実を着けるのには必要な段階だ。

樹の状態を見て、こころもち弱そうなら摘果して2個にする、良い状態なら3個にするとか、何個着けるかの管理の違いがあったとしても、確実に実が着かないといけないと散々言われてきた。

トマトの実を着けるって、自然になるものじゃないの?

と思うかもしれないが、ハウスの中で栽培するには蜂の受粉作業か、植物ホルモンを使う作業が必要になる。

外で作るなら風が吹いて花粉が飛ぶし、花粉を運ぶ虫が自然にやってくれるけれど、施設栽培ではわざわざ巣箱を買って蜂を入れる。

夏は暑すぎるので花粉が出ないから、植物ホルモンで擬似的に着果させ実を大きくさせる。

水で薄めた液剤をスプレーで花に直接かけるのだが、何回もかけることは奇形果になったりするので一回だけとされている。

うちは夏の暑い時期に花を咲かせて実をならし、秋にかけて収穫していく期間限定の栽培なので、植物ホルモンを使うやり方をする。

この一回の散布、しかも一段目の着果はかなり神経を使う。

一段目の花が全て同じように咲くなら良いけど、工場製品ではなく生き物なので、個体差みたいなばらつきが出るから、この樹は咲いてるけどこの樹はまだ咲かない、樹によっては花の数が少なかったりするので、一本いっぽんの樹を見ながら数日おきにスプレーする。

私が大玉トマトの栽培を教わった15年ほど前は、定植して活着したらなるべく水やりをせず根を伸ばすようにさせ、ホルモン処理をして着果したら、定期的に灌水する。

トマトは太陽が大好きなので、暑くても遮光するなら遮光率の低いもので、お盆を過ぎる頃には外してしまう。

というのが栽培の基本だったけれど、近年は積極的に灌水、通路も湿度が一定するように灌水できる方が望ましい。

遮光も陽射しがかなりキツイので遮光率高めのものを使ってもいいのではないか。

などなど、かなり変わった。

今年の暑さは近年にないもので、7月から暑く、35度近い日が長く続き、最低気温が25度から下がらない。

こんな年は今まで無かったので、今までの経験がないから手探りで管理するしかない。

今回の失敗も成功も、これからの栽培管理に活かせるよう、記録しておこうと思う。


いいなと思ったら応援しよう!