人間のしっぽのゆくえ。
3月4日。
今日はダンサー・振付師として活動している先輩の舞台を観に、長野まで足をのばしました。
かれこれ15年以上の縁で、専門学校の修了公演や、地元でのパフォーマンスなど、タイミングが合えば観にいっていたので、今回も「近いし行こうかな」というノリで(笑)
作品のタイトルは「A Tail Holder」。
日本語にすると「しっぽを持つもの」という感じでしょうか。
人は進化の過程でしっぽがなくなった(尾てい骨がその名残?)と言われていますが、もし持っていたとしたら、どんな動きをするのだろうか。
少し不思議な世界観の舞台でした。
舞台上にはハロゲンヒーターのランプが1つとろうそくの炎と灯りだけ。灯体は交互にスイッチングされ、それによって、背景の壁や床に影が映っていく。という幻想的な空間演出でした。
ノルウェー公演を行ったときの反応の多くが「meditative」だったというのも、なんだか納得できました。
公演中は無音で演者の足音や衣擦れの音、ろうそくが燃える音だけが響き、いったんその世界に入ってしまうと、そのままどっぷり、という感じ。
自分自身の感覚も研ぎ澄まされていたようで、あっという間の1時間でした。
肝心の「しっぽ」ですが、実際にしっぽをなにかでつけていたわけではないので、想像でしかないのですが……しっぽだけでなく、自分の感覚を研ぎ澄まして、何かを感じながら踊っている様子がとても印象的でした。
自分の感覚一つひとつを大切にして、動く。
無(無音だったり暗闇だったり)の状態でも熱源や感覚を頼りに、有を探していける。
そんなことを気づかされた気がします。
私は中学時代に尾てい骨を骨折し、今も折れた状態が続いているので、しっぽはないのですがw
それでも、使える感覚はまだたくさんあるので、自分の感覚を大切にしていきたいなと思いました。
公演終了後は素敵なご縁もあり、本当に良き1日でした。
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