コロナ渦での旅行5

我々の最終目的地は世界的なリゾート地カンクンもあるユカタン半島に位置する海岸だった。

カンクンエリアには周辺200キロ圏内にピラミッドや遺跡や海洋公園、水中ミュージアム、ジンベイザメと泳げるところ、フラミンゴが住んでるピンクの湖、シルクドソレイユの常設テントなど、さすが世界から観光客を集めるだけあって、たくさんの観光名所がある。

家から車を2000キロ以上走らせ、この半島に入った途端、

町の様子がおかしい。

そう、外国人観光客がたくさんいる。

山ほど。うじゃうじゃ。

海岸につながる1本道で車の渋滞にはまった際には、水着姿で渋滞の車の横を歩く人、バイクで抜かしていく人、自転車をこいでいく人など、外にたくさんの人がいて、夏休みの湘南・江の島を思い出した。あの光景は私の人生の中でも忘れられない光景の一つになるかもしれない。

お隣のアメリカだけでなく、ヨーロッパや中南米からも来ている様子。アジアの人も見かけた。もちろん私のようにメキシコ在住の外国人も中にはいると思うが、明らかに海外から来た観光客の人がほとんど。

世界的なパンデミックだろうと海外旅行をする人がこれだけいるということに本当に驚いた。それに高齢者の人は感染した場合にリスクが高いということでメキシコでも65歳以上の人は特に厳しく外出を自粛するよう言われているが、高齢者連れの家族もいた。生まれたてのような小さな赤ちゃんも。

自分にとっては「車で国内旅行」が精いっぱいだった訳だが、

この時期に外に出ること自体が信じられないという感覚の人もいるだろう。

そして、逆に、高齢者を連れて、飛行機で、海外旅行をできてしまう人もいる。それぞれ、どういう理由で、なにを考えて旅行しているのかは、一人一人に聞いてみないとわからないが。

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我々が行ったところはすべて屋外の自然を楽しむところだったので、

密のリスクはそこまでなかったと思う。

それでも、ピラミッドの入場口では、後ろから早く入りたいと焦る人たちに押されたし、海洋公園内のレストラン入り口でも、同じ。ソーシャルディスタンスを守ることなく、ブラジル人の若者一行が我々の後ろにピターっと列をなした。

コロナ問題がもう1年以上続いているとは言え、ソーシャルディスタンスなどは新たな習慣なわけで、観光に夢中な人たちはふと忘れてしまい、コロナ前の感覚で行動してしまうのかなと思ったり。

海洋公園のレストランで飲み放題をし過ぎてご機嫌になって、見知らぬ人と肩を組んで写真を撮る人たちもいたし。

私もアメリカから来たという若い女の子に気に入られ、自分の彼女を紹介すると言われ、彼女に握手された。(握手のあとこっそりジェル消毒したけど。)でも、コロナ前だったら、こういう見知らぬ人との交流も旅の楽しみだし、心が弾む経験だったと思う。

あちこちに「ソーシャルディスタンスを守りましょう」という表示はあるものの、スタッフがそういう呼びかけをしている訳でもなく、観光地で楽しみたい一心の観光客たちにはあまり効果はないように見えた。

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レストランも、政府の指示で70%のキャパシティー、50%のキャパシティーで営業しましょうと告知されているが、満席のレストランをいくつも見たし、外は待っているお客さんでいっぱいのお店も。

私たちはそういう時はリスクがあると判断して、レストランには入らず、近くのファーストフードをテイクアウトして車内で食べた。

ユカタン半島は世界的な観光地だが、その中にも人口の少ない小さな村が集まっていて、「都会」ではない。一時的に観光客が増えることはあっても、基本はのどかな村。

なので、レストランのコロナ対策は、入り口に除菌マットとジェルが置いてあって、お店のスタッフがマスクをしているだけで、それ以外は都会のレストランに比べると全然あまい。色んな町のレストランに旅行中、お世話になったが、私が除菌シートでテーブルを拭くと、シートが真っ黒になった店もあった。やっぱりどこまで対策されているかはわからず、不安。

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今日は私が見た世界的な観光地の様子をお伝えした。

そろそろ、この「コロナ渦での旅行」の連載も終わりに近いかなと思う。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



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