withコロナでスタートアップが今考えたほうが良いと思うこと
コロナによる急激な市場変化により、資金確保や固定費の見直しなど、3~4月はあわただしく過ごした起業家も多いと思います。守りを固める議論も一服しつつある中で、我々も投資先と今後の事業戦略を練り直しつつあり、話題になっているポイントを挙げてみました。
1. スタートアップは成長投資し続けなければいけない
2. プロダクト、マーケティング...チャンスを見つけて投資する
- ターゲット顧客を再考する
- プライシングを変える
- CPA下がっていたら踏もう
- 敷居の高い大企業のクライアントやアライアンスを獲得する
- 潜在顧客プールを作りにいく
- 採用する
3. 追い風の会社は波に乗りきろう
1. スタートアップは成長投資し続けなければいけない
たとえ守りの時期でも、次のファイナンスのためにも、どこに資金やリソースを寄せ(=投資して)、何の結果を出していくのか、考え実行していくのが重要と考えています。
リーマンショック後や東日本大震災後のように、行動変容の中で新たなサービスのシェアが上がりやすい、混乱の渦中が、大企業が動けない中で出し抜くチャンスが大きいため、このタイミングを生かさない手はないです。
次のラウンドの投資家が投資検討するとき、「投資資金でどれだけ伸びるか」ということが大事なポイントになってきます。少しでも伸びる兆しのあるチャネルを開拓したりプライシングも柔軟に合わせに行く、ということを5月に入って投資先と議論しています。
2. プロダクト、マーケティング...チャンスを見つけて投資する
ターゲット顧客を再考する
・ホリゾンタルなサービスは景況感に合わせて顧客戦略を再考する(直近厳しい飲食・旅行等に代わるターゲット顧客はどこか)。
・SMB or エンタープライズに関しても、主力をSMBから、投資余力があり効率化ニーズの高いエンタープライズにシフト、などあり得ると思います。
プライシングを変える
・景況感を鑑みて、価格を下げたほうが売上最大化できる可能性もあります。キャンペーンや販促を活用して価格のテストをしていくことも考えられます。
・需要が高まりむしろ価格を上げられる可能性があるかもしれません。例えばECでは現状配送キャパがパンクしているので、本体価格ではなく配送料を取っていくことなども可能なタイミングです。
CPAが下がってたら踏む
主にC向けで、扱っている商材にもよると思うのですが、CPAが低下しROASが改善している場合が多いので、間接費削ってその分を広告投資する、みたいなことをいち早くしてもいいと思っています。広告費を増している投資先もあります。
敷居の高い大企業のクライアントやアライアンスを獲得する
コロナ前であれば商談に載らなかった大企業でも、リモートワーク、EC対応などのキーワードでアプローチの敷居が低くなっている可能性が高いです。広告マネタイズのメディアでも、EC切り口で大手メーカーの需要を取っていきたい。実際投資先でもリモートワークやEC対応というキーワードで案件獲得が出始めています。
潜在顧客プールを作りに行く
有料顧客が増やし難い環境下では、ポテンシャルユーザーを増やし、外部環境の好転に備えるのもあり得ます。SaaSでフリーミアムモデルを展開したり、2Cビジネスでも予約や廉価版の展開など考えられます。a16zのこの記事が大変勉強になりました。
採用する
各社採用を絞っている今だからこそ、昨年よりもいい人が採用できる可能性は高まっています。開発系は、各社固定費整理の一環で副業が一時的になくなっている場合もあるので、採用チャンスは広がっている印象があります(採用にはぜひYOUTRUSTを!)
3. 追い風の会社は波に乗りきろう
昔アナリストをしていたときに大震災があり、投資家に「この会社は需要の波に乗れる会社なのか、乗れない会社なのか」という質問を受けました。スタートアップでも同じで、今のこのめまぐるしく変わる状況下でチャンスを見つけて捉えられるか、素早く対応できるかどうかで、以後の売上が全く異なってきます。
ポジティブ影響の追い風の業種であっても、守りの施策をしていたら、CPAが下がって獲得効率が大きく改善しているのに逃していた、みたいなことが混乱状態の中で往々にしてあり得ます。外出していい/ダメ、出社する/しないなど、前提条件が変わりまくっているので、絶えず変化に合わせて柔軟かつ高速に投資を実行していくことができるよう、日々我々も起業家の方とディスカッションしていく所存です。
ここに書いたことはごく一部ですし、業界によってはまだまだ濃淡あると思います。事業の相談や、事業を前に進めるディスカッションなど、させていただけたらうれしいです!お気軽にDMください!
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