自粛をきっかけに
自粛をきっかけに変わったことがあった。
それは家族と仲良くなったことだ。特に母親と。
今は姉が出て行って父と母の3人で暮らしている。
うちはずっと共働きで、幼い頃から母は仕事で朝早く出ていき夜は19時とか、飲み会などで遅いと23時くらいに帰ってきた。
小学校低学年の時は特に、周りの友達のお母さんが専業主婦ばかりだったから、家に帰って母親が「おかえり」と言ってくれる毎日が羨ましかった。
高学年になると塾で忙しくなりそんな感情も無くなったが。
中高も変わらず親と会ってちゃんと話す時間は少なかったように思う。
ましてや大学生なんか、親の帰ってくる夜はバイトと遊びで忙しく、親がいない平日の昼間の家を満喫していたくらいだ。
だから今年の春、私も父も母もみんな在宅になって、人生でこんなに親と時間を過ごすのは初めてだった。
朝昼晩毎食一緒にご飯を食べる日が続く。
当然会話はも増えるから、母親とはある意味友達のような関係性になった。
同じ社会人として対等に、純粋な悩みや素朴な疑問、母の職場や父との昔のエピソードを共有するようになった。
と同時に、出て行った姉も含めて家族4人でご飯に行くことも増えた。
姉は両親の口うるささにうんざりして家を出たが、今ではちょうど良い距離感を保てたことで関係も円満だ。
これまでうるさかった私の外泊に対しても、最近はもう何も言わなくなった。
それは社会人になったからとかではなく、一緒にいる時間が増えたことで、今まで母親との間にあった変な歪みが取れたからだと思っている。
だからまだ私は実家を出たくない。こんな最高な環境を離れるのがもったいない。
いつか家庭を持ったら必然的に家を出るんだ。
最大の親孝行はできるだけ一緒に時間を過ごすこと。
というのを言い訳に、まだまだ甘えるとこは甘え尽くし、親の脛はかじれるだけかじろうと思う。