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誰かの遺影になるたびに

撮影するということには、その場を一緒に過ごした責任が在る。
次の日に。
またつぎの機会に。

その目の前の命がなくなることなんて、よくあることだから。

何十億も人間がいて、人間を撮ることに命をかけていて
じゃあそのひとたちに次がないことぐらい、わたしにだってわかっている。

誰かの遺影になるたびに
わたしは小さく胸を張る
そうして誇りを高くして、命に祈る。

明日生きられるかもしれないことを
また誰かの生きた姿を残せるかもしれないことを
あなたのおかげだ、と感謝する。

そういうことをおもっている。

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小池 菜摘
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