私の乳がん体験記⑥~放射線治療、ホルモン剤治療開始~
手術から約2か月後、放射線治療開始。
一番最初の日は、放射線を当てる位置を確認し、ていねいに体にしるしをつけられました。
とても恥ずかしかったのですが、技師さんたちは慣れたもの。素早く処置をしていきました。
20回の放射線治療
次の日から週5日、放射線治療が開始。右胸全体に16回、傷の部分に4回の計20回です。
放射線治療の機械は大きく、ベットに寝ていて近づいてくるのが怖くて目を開けられません。
しかし、特に痛みや不快感はなく、放射線を当てる時間は1分もないので、「あれっ?もう終わり?」と拍子抜けする感じでした。
副作用はありません。1週間程通うと、放射線を当てた部分が、日焼けをしたように赤く変色。
かゆみや痛みはなかったので、保湿剤をもらって対応しました。
機械故障のトラブルに遭遇
治療を開始する前、看護師さんに、「年に1~2回、機械の調子が悪くて治療が止まってしまう時があるんですよ。」と説明を受けました。
「そんなこともあるんだ。」と聞いていましたが、その「年に1~2回に」にまさかの遭遇!
私は毎日9時から予約を入れていましたが、着くなり看護師さんが「今日は機械の調子が悪くて2~3時間は修理にかかりそうです。」とおっしゃいました。
そんなに⁉と思いましたが、近くに大きな公園があるので、ウォーキングや読書をして待つことに。12時ころ看護師さんから電話。
「部品を取り寄せていて、直るのが夕方になります。」と・・
さすがに「えっ?そんなにですか??」と思わず言ってしまいました。
次の日に変更もできましたが、その分終わりがずれてしまうので、一度家に帰って、夕方行くことに。なんとかその日は治療を受けることができ一安心でした。
家から遠い患者さんは治療をうけられなかったそうです。
転院をする時に、家から遠い病院も検討していましたが、こういう時に近い病院で良かったと思いました。
なかなかこんな機会はないと思いたいですが・・
ホルモン剤治療開始
放射線治療に毎日通うのは大変でしたが、終わってみればあっという間。
もう2度と通わなくなると思うとちょっとだけさびしい気もしました。
放射線治療が終わってすぐに「ノルバデックス」を飲み始めました。
女性ホルモン(エストロゲン)をエサに増殖するタイプのがんである私には、エストロゲンをおさえる薬であるノルバデックスを5年間飲むことで、乳がん再発のリスクを減らすことができるのです。
ただし、副作用として更年期症状が出るとのこと。私は乳がん発覚前から、すでに更年期の症状がありました。
ホットフラッシュやめまいに悩まされていたため、ホルモン補充治療を1年ほど受け、症状は落ち着いていました。
ホルモン補充治療をしていたのに、今度はホルモンをおさえるなんて・・
更年期をすでに経験している私は、薬を飲むことに抵抗がありました。
実際にノルバデックスを飲んでみて
薬は飲みたくないけど、飲まないと再発のリスクが高まってしまう。
葛藤はありましたが、毎朝一錠ずつ飲み始めました。飲んでみて体調に変化はありません。
めまいやホットフラッシュはもともとあるので、薬の副作用とは言えない状態でした。
たまに来るイライラや気分の落ち込みも範囲内。
寝込むほどの体調不良はないです。
最近では、右腕にびりびりと神経に触るような痛みが出るようになりました。
副作用なのか、歳のせいなのか、パソコン作業が多くなったせいなのかわかりません。
傷口周辺は固く感覚が鈍いので、手術の後遺症もあるのでしょうか。
まだ飲み始めて4か月ほど。この先副作用は出るのかもしれませんが、なんとか続けていけそうです。
おわりに
乳がん発覚からもうすぐ1年がたとうとしています。手術の経験はあるものの、大病をしたことがない私はがんになったという実感がいまだにありません。
しかし、自分ががんになって、この先どれだけ生きられるんだろうと深く考えるきっかけになりました。
ただぼんやり生きていたら何もできずに人生が終わってしまう・・
そんな風に危機感を持つようになり、自分の今までやこれからの人生と向き合う良い機会になっています。
アラフィフになり、ある程度の人生経験を積み、もう充分かなぁと思う時期もありました。しかし、私にはまだ知らない世界がいっぱいあり、もっといろんな景色を見てみたいと思うようになりました。
長くなりましたが、私の乳がん体験の記録は以上です。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。