シンデレラボーイ
Saucy Dog が、今若者の間で大人気の邦楽バンドであることは間違いない。
私が、彼らを知ったのは、2017年にリリースされた「いつか」を聞いた時。
それから、しばらく経って、たまたまYouTubeのおすすめにでてきたのが、彼らが歌う「シンデレラボーイ」だった。
何気なく、何度もおススメに出てくるので
聞いてみた。
そして、聞いた後に、
この話って、あたしやん。ってなった。
また、このPVのコミック調のストーリーが
歌詞とマッチして、より行き場のない恋愛の結末を盛り上げるのだ。
きっと、私だけじゃなくて、
多くの女性が、この曲を聴いて
あたしやんって思ったのだろう。
曲や歌詞は、聴く人によって解釈が変わるので、
正解などはないが、
「シンデレラボーイ」は、恋の終わりに気づき、崩れ去っていく様を描いている。
それも、自分ではない他の魅力的な人に奪われる、もしくは、自分を好きになってもらえずに、終わるという結末。
不毛な恋愛をしている方なら、共感するだろう。
冒頭に出てくる歌詞
"頭じゃ分かっていても心が追いつかない"
最初のフレーズから、ぐっと心を掴まれる。
こんなの、みんな体験したことは、あるだろう。
頭では、この人はダメとか、割り切ってるとか、気持ちなんて届かないと、理性で納得しようとしても、心がどうしても強く惹かれて、言う事が聞かない。
恋するということは、自分をコントロールできないのだ。
"夜な夜なゆらゆらいでも 未だに君が一番
最低で大好きだった なんでかなあ ムカつくわもう"
傷つけてられて、何度もあなたを好きでいるのを
やめようか、もう会いたくないと伝えようか、と何度思っても、会ったらやっぱり、好きな気持ちを抑えられなくて、そしてまた一人になった時に、なんで言い出せなかったのだろう、やっぱり辛いから、やめなきゃの繰り返し。
"忘れちゃいたいのに ずっと 傷つけられてばっかだったのに"
私は、大好きな彼に傷つけられている状態なのだ。
そして、そこから、サビに続いていく。
私の気持ちを、代弁してくれているのかってくらいに
歌詞が自分とリンクした。
そして、不穏な空気感は、2番へと続いていき、
"嘘くらいせめてちゃんと 次は上手につかなきゃね"
この部分で、彼女が抱いていた違和感は、嘘という本当のことになり、彼が裏切っていた事実があったことを知る。
そして、大サビに入る前の
"死んで" だ。
今まで、彼が好きで、気がつかないふりをして
嘘をついているところを見てないから、大丈夫とか、事実を見ていないから、彼はまだ信じられるとか言い聞かせてきた彼女が、薄々思っていた最悪の展開となり、
ただただ、我慢することで自分を傷つけてきた、最後に彼に思うのである。"死んで"と。
そして、私がいつまでも気が付かない馬鹿な彼に、わざと"騙されてあげていたの"で曲が締め括られる。
私は、長らく不毛な恋をしていたので、(約4年も、、)歌詞が突き刺さりまくった。
恋っていうのは、自分ではどうしようもない。
歯止めは効かないし、好きになった方が負けとはよく言うが、本当にそうだ。
勝手に期待して、傷ついて、期待するのはやめてそれでも好きだから隣に居続けようなんて思った日には、結局彼からの連絡が来て、会って体を許して、また傷ついて。
このままでいいのかななんて、幸せになっていく友を見送りながら、一人考えて、ああ、辞めてやると思った直後に、連絡が来て、浮き足立っている私がいる。
みんなきっと、思うことは一緒なのかもしれない。
「シンデレラボーイ」
私は、この曲を聴いて、別れた今も一番最低で大好きだった彼を思い出すのであろう。
そして、全国のシンデレラボーイの皆さん、
あなたの悪行は、必ず相手に気づかれてますよ。とだけ言っておく。