定住を決心する日は来るのだろうか
「遊牧民」
ここでいう遊牧民とは、住む場所を変えるのが好きな普通の会社員が、自分を表すキーワードとして気に入っている言葉である。
社内転職をして住む場所を変えたり、弾丸で訪れた場所が気に入って住みたくなったり。そんなわたしの話を聞いてくれる先輩にいただいたワード。
どうして引越したいの!?何がそうさせるの!?と問い詰められても困ってしまうけれど、その先輩は笑い飛ばしてくれるから、ありがたい。
でも今回は改めて、「引越=遊牧」にハマってしまい、自分のライフワークとなりつつある原点について、考えてみようと思った。
これまで
大学編入を機に実家を出るタイミング(北海道内での引越)、社会人1年目の配属(東京)、部署移転(大阪)、そして社内転職(長野)により、これまで県をまたぐ引越をしてきた。
割と、周りの会社員たちは引越を伴う異動に抵抗を示す派が多い。わたしは珍しいタイプなのかも。
好きな街を離れる理由
どの引越しが自分にとっての原点であり、人生を変えたものにあたるのか。正直、これ!というはっきりとした結論が出ず、この文章を投稿するまでに時間を要してしまった。結論は今も出ていないままだ。
でも、直近の引越がやはり一番大きいのかもしれない。
それまでは住む場所を変えるのが第一目的ではなかったけれど、今回、大阪から長野に引っ越したのは、それが第一の目的だった。(と言うと会社に怒られそうだなぁ。せっかくいろんな部署がある会社に身を置いているのだし、全く違う部署で経験を積むのも魅力的だな、と思い社内公募に申し込んだ)
大阪は大好きだった。朝から生でお笑い鑑賞、年間5回行っても飽きないユニバ、ちょっと足を伸ばせば和歌山のパンダにも会える、気の知れた友や先輩とすぐ会える、行きつけの美容室がある、歩道が広くて歩きやすい、などなどの理由で。
こんなに好きな大阪を離れる理由なんて見つからない。それでも、うずうずしてしまうんだ。心が、新たな土地に住みたいと言っている。
せっかく地球に住んでいるのだから
振り返ると、2年おきに引越をしている。そのせいか、大阪に住んで2年くらい経った頃、わたしの体内のどこかにある時計がジリリリと鳴り始めた。
「地球」という大規模な見方をすると、海外に住む経験はまだ無いし、これまでも4都道府県住んだことがあるだけだ。(書きながら、都・道・府・県すべてを網羅していることに気づき、感動している)
「住んでみないとわからない便利さ、不便さを身を持って感じたい」、「そこでしか味わえない朝の風景を見たい」「感じたこと全てを文章として綴りたい」
このような想いを肌身離さず持っているから、体も従わずにはいられない。意外と好奇心という言葉が自分に近いところにあるんだな、と思ったりする。
これまで住んできた場所だって、同じ日本なの?!と思うくらいの発見があったし、大阪から長野に移り住んでも、カルチャーショックは何度も味わってきた。
でも、それを体感できたときににやりとしてしまう。これこれ。待ってました。このために住民票を移してるのよ。
おもろい後輩に出会えて、あぁ、引っ越してきてよかった……!と思った夜もあった。
次はどこへ行こうか、どこに住もうか
そしてやはり次の遊牧先を探してしまう。
まちあるき好きにとっては、歩道が整備されていて、幅が広いところ希望。どこまでも歩いていけそうな感じ。
道が広いだけで、心躍る自分がいることは確か。何度でも道が広いことに驚いて、喜ぶ。喜び続ける自信がある。
景色はどんなところがいいだろう。どこにいても山が見える生活をしているから、次は海が見えるところかなぁ。
そして、引越という長期的なものではなくても、短期間でどこかに旅暮らしするのもいいのでは?とも考え始めた。考えることは増えるけれど、新たな選択肢が増えて幸せだ。
わたしが「定住」を選択をする日は来るのだろうか。そんな日が来る人生もいいよね、と楽しみにしながら、今日もここでの暮らしを楽しむ。まだ見ぬ土地に想いを馳せる。