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日本人英語教師 vs ネイティブ英語教師

日本語を学んでいる外国人が「読みない」と言ったとします。
日本語ネイティブの私たちは、即座に違和感を感じますが、さて、どう説明して理解してもらいますか。

ネイティブだからといってその言語を教えられるわけではない

私たち日本語ネイティブは普段「読みない」とは言わないのですぐに違和感を感じます。これがネイティブの強みですね。
では、これを文法的にどう説明しましょう。
日本語の動詞は「未然・連用・終止・連体・仮定・命令」の形で五段活用する、という話、学校で習ったことがあるかと思います。この五段活用ですが、実はこの説明は日本語学習者にとっては難しく、日本語教育の現場では説明として使われていません。ですので、この説明をしても日本語学習者にはなかなか通じないと思われます。
ではどのように説明しているかと言うと、日本語の動詞を大きく3つに分けて、それぞれ u regular verb (う規則動詞)、ru regular verb(る規則動詞)、irregular verb(不規則動詞)として説明しています。
「読む」はこのうち u regular verb (う規則動詞)に分類されます。否定を表す助動詞の「ない」が後続語になるときには、母音が “u” から “a” に、つまりYOMが YOMに変化するので、「YOMIない(読みない)」は間違いで、「YOMAない(読まない)」となります。

私は大学で日本語教育を専攻していたので(実際日本語教師にはなりませんでしたが)かろうじてここは覚えていますが、もし日本語教育に携わったことが無ければこのような説明はなかなか難しいのではないでしょうか。
そう、日本語ネイティブだからといって、何も知識を入れずに日本語を教えることはできないものです。

英語の初級~中級者は、日本語を母語とする人から教わる方が圧倒的に効率が良い

話を英語学習に戻します。
英語の初級~中級者は、日本語を母語とする英語教師から教わるのがオススメです。
というのは、
①日本語という共通言語があるので、細かい話もしやすい
②文法的に整理された形で英語が頭に入っているため、文法的な説明ができる。また、日本語との比較の中での説明ができるので、効率的
③その英語教師も英語を学んできたことになるので、第2言語習得の経験値が高い(=苦労も知っている)

英語の中上級者以上はネイティブ教師に教わることで生の英語や文化に触れ、英語力に厚みを持たせる

上記①~③の理由から、もちろん中上級者であっても日本語を母語とする英語教師から学ぶのは引き続き効果的です。学習者の先輩として、色々な角度で頼ることができるでしょう。
そしてそこに、ネイティブ教師の視点が加わると英語に生きた感じが加わってきます。ネイティブ教師との会話のやりとり自体も、とても興味深いでしょうし、楽しさにもつながりますので、ネイティブ教師から教わるということも是非うまく取り入れたいですね。

ただし、一つだけ、お気をつけください。
冒頭でお伝えしたように、ネイティブ、イコール、違和感を文法的に説明できる、というわけではありません。
「違和感」は感じられるけど「説明」はできない、となると、体系的に英語学習をする必要がある大人の学習としてはなかなか前に進めず難しさに直面すると思います。
ネイティブ教師がどういう教師なのか、各スクールのHPなどの詳細を見て確認をしてみることをお勧めします。もしくは、文法的な説明は日本語ネイティブの英語教師を頼り、英語ネイティブ教師には生きた英語の実践の場を求める、と割り切って活用するのも良いですね。


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