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外国人専用。日本人専用。ホテルのエレベータの件。
日本の常識は世界の非常識。
こんなニュースが話題になっていました。
東京のあるホテルで、外国人利用者に対して、
「日本人と同じエレベーターに乗らないようにしてくださいね」
と書かれた張り紙が掲示されたという件。
「日本人専用」
「外国人専用」
という案内も一緒にあったのだとか。ホテルの方では、コロナ感染防止の対策で、海外からのオリンピック関係者と一般の利用客とを区別するための対策だったということです。
SNSではこれが瞬く間に拡散されて、批判されて差別だということで取り上げられた。というニュースです。
なるほど。理由を聞けば、確かに納得するところはあるかと思います。
この件と非常に似たことに過去に出くわしたことがあります。
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はっきりと詳しくは事情を書けないのですが。。。少々カモフラージュしてお伝えします。大体こんなところです。
外国人が来るような環境のある日本の施設でのこと。私が働いていたところです。そこでの1つのトイレのドアに
「外国人専用」
と書かれてあったのです。日本人が使っていい個室と外国人が使っていい個室。明確に分かれていました。それを見て私は非常にショックを受けました。
ここまでクリアに区別をしているのを見て何か見てはいけないものを見てしまったような。。見なかったフリをしなければいけないような。それほどに異質なものを見た、という気がしたのです。Uncomfortable-心地が悪い思いをしました。
外国人はこちら、日本人はこちら。というメッセージはアパルトヘイトを思い出させました。大げさでしょうか?
20代をアメリカで過ごした私ですがアメリカでは、黒人は同じバスに乗れない。同じ水飲み場で水を飲めない。同じ場所に住めないなどなど色んなことを虐げられてきた歴史があります。
それがあって今は社会的に、明確に肌の色や人種、国籍で区別、差別をすることはありません。私が、このアメリカでの常識に無意識に慣れてしまっていた。慣れていた、というのも気づかないくらいに慣れてしまったいたのですね。
だから私はトイレでの掲示を見て、衝撃を受けたけれどそこでいる人たちは何も疑問に思わずに、毎日それでやっているのです。
もちろん、アメリカでも差別主義者はいます。肌の色の違う人に対して、外国から来た人に対して、心無い言葉を浴びせたり、コロナの件でもアジア人に対して暴力をふるう人も増えたり。
ですが、社会的にはこういう掲示や案内が見られることは絶対にありません。これは絶対にないです。
個人的な思想やビリーフで悪口を言ったり暴力をふるう人がいたとしても例えばホテルで、学校で、職場で、空港で、外国人がいるような施設で、そういう一般的な公共な場所で区別差別をするような掲示はありません。
これがアメリカだけではなく、国際社会での普通です。
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この話には続きがあります。
そこでショックを受けた私は、後からここへ来て、掲示を見て衝撃を受けるであろう外国人を想像してみるといたたまれなくなりました。
そして、そんな掲示をしたその施設そのものの考えも問われるだろうなと思ったのです。
これは何か言った方がいいのかなと思いました。
「あの掲示は、きっと色んな理由や便不便があってのことでそうなったんでしょうが、あれでは外国人が来たときに非常に驚くことになります。理由にかかわらず、ああいう表現の仕方は外国から来る人には通じないと思います」
と伝えました。しかしその言葉は届きませんでした。
「こういう理由でこういうことでこういう決まりになった。決して差別的なことではない」
ということでした。
私はこの反応にも衝撃を受けました。そして、きっと、悪気があってやっているのではないのだ。と悟りました。
ただ、日本の普通、常識、感覚が外国のそれと全くもってずれているということが日本人に全く理解されていないだけ。そして、その指摘があったとしても耳を貸してくれないこともある。
国際社会
グローバル化
英語化
云々言われていても、日本では外国の感覚を理解しようという意識は、私が思っていたより低いようです。
*
このホテルの件もそうですね。そうなる理由がきっとあったからこういうことになった。きっと悪気はない。
でも、それをこういう伝え方をしてしまうと誤解を招くのです。
ただ、今回のコロナに関しては非常にセンシティブな問題であるのでどうやって掲示するのが正解だったのか?私もわかりません。これ以外のケースでも、何らかの理由で区別する必要性があったとき正解は?私もわからない。
それはその都度、敏感になって考えないといけないです。そのときは、それこそ在日外国人や外国のマナーや常識をある程度分かる人に、意見をゆだねるのもありだと思います。
「外国人」「日本人」と分けるのはちょっと鈍感すぎます。
外国から来た人がその掲示や案内だけを見るとそこに至った経緯は見えません。
ただ
「私は外国人だから使えない」
と思わせてしまうだけ。
自分が外国に行ったときのことを想像すると容易だと思うのですが。。。現地の人はこれは使えるけれど私は使えない。
どうでしょう?
どこか、ネガティブな感じは受けませんか?
*
こういう記事が話題になるというのは、日本もいよいよ国際社会の感覚の必要性が高まって、日本の常識は世界の非常識である。逆もしかり。ということをますます勉強しないと本当についていけなくなってくるそんな時代が来るということかもしれません。
そして、このような日本で、外国人と日本人との間の世界観の認識のギャップを埋めていく方法を、私は模索しているところです。
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