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見たいものは、それか。

緊急時にその人の本質があらわれるとはよく言ったもので、混乱の中では隠していた本音があらわになる。

だからこそ、国じゅうがひとつのイシューに動揺するような時こそ、自らを見つめ直さなくてはならない。

水をひとくち含むように。
その冷たさが食道を滑り落ちる様を感じるように。
深く吸い込んだ息が肺を満たすように。
その空気に含まれる僅かな香りを確かめるように。

ゆっくりと問い掛ける。
「それは本当に正しいのか」と。

あらゆる角度から見て正しいことなんて、世の中にはそうそう転がってなどいない。

得た情報が本当に正しいのか、それをどう扱い、また他者に手渡すのか。それとも、胸の奥底にそっととどめるのか。
比較検討するために手は尽くしたのか。自らの感情に溺れてはいないか。自らの信ずる正しさにかまけてはいないか。

それをじっくり考えることが、知性だ。

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なつめ
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」