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SAKANAQUARIUM2024"turn" movie

 封切り、初日。
 夕の舞台挨拶生中継回を、別の劇場で観ていた。

 ツアーturnは幕張で観ていた。
 うつ病からの復帰、というフレーズには思い出がある。パートナーも、かつてパワハラでのうつ病による休職から復帰を果たした。彼は結果として復帰のもたらすもの、「本当はもっとできるのでは」という圧による劣等感や自責に挫けてしまう。復帰と休職を繰り返し、失意の中悪化とともに職を離れた。
 うつ病になる人は責任感が強く真面目だ。完全復活を銘打った覚悟、長いツアーは嬉しい一方で非常に心配でもあり、それを吹き飛ばすような素晴らしいパフォーマンスに涙が流れるのを禁じ得なかった。復帰への意気込みを強く感じるが、そのバックグラウンドストーリー抜きでも演奏から演出や音響まで含めて、圧倒的なクオリティに胸が震えた。

 そのツアーが映画化とあって、ムビチケをすぐに購入。生のライブ(トートロジー)では触れられないものがきっとある。

 結果としてそれは大当たりで、ライブでは見ることのかなわない表情のひとつひとつや演奏の手捌きを、カメラワークが絶妙に映し出していた。また違った臨場感、ステージを作り上げている側の感情がスクリーンから溢れ迸ってくるような体験。
 音響は5.1サラウンド、ライブ感がしっかりとある迫力の音づくり。生で観た人でも、いや観た人だからこそ楽しめる要素がふんだんに盛り込まれた、映像作品として優れた実録ムービーだった。
 まもなく終了となる劇場も多いようだが、映画館の音響で体験できて良かった。機会があえば、また。

※撮影許可あり

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なつめ
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」

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