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踊り字と不毛

 SNSを利用していると、時々明らかに場が淀んでいることがある。そうした時は、大抵何かが炎上しているような気がする。

 他人様が極端に悪く見える時、その他人様にも事情や裏側があるはずだという点について失念しているか、もしくは故意に見ないようにしているのだと思う。
 叩きエンタメとして他人様をサンドバッグのように利用することで、自分の問題を昇華しようとしている。本当は繋がらないはずのものを、易々と繋げてしまう。
 でもスッキリするのは一瞬だけ。根本的には解決しないから、また次を探す。その繰り返し、何とも不毛。

 人を傷つけて傷つけて報われない日々を過ごすのならば、本当は昇華したかったものの正体に気付くほうがいい。
 それはそれでつらいことだが、少なくとも負のループから抜け出すことはできる。

 批判や論争は、適切に行われていればとても有益なものだ。だがそれは単なる炎上とは違う。十把一絡げに炎上と括られる現象を丁寧に紐解けば、実は批判も指摘も罵倒も、揶揄も野次馬騒ぎも含まれている。

 深呼吸して冷静さを保つこと。距離と角度を変えながら、分野と立場を切り替えて眺めてみること。そうしているうちに不毛の地には緑が生まれるだろう。

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なつめ
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」