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Spicy Sessions公開録画

 TBSチャンネル1の "刺激的な" 音楽番組「Spicy Sessions」のスタジオ外初公録に、TBSより機会をいただいてお伺いした。これまで収録はスタジオだったが、今回は初めての試みとしてJ-COM浦安音楽ホールでの収録になったもの。前説は竹中P、日本一音楽が溢れる番組にしたいという言葉には音楽愛がほとばしり満ちていた。

 番組ホストはゴスペラーズ黒沢薫さんと乃木坂46中西アルノさん。
 ゲストに、バンドSING LIKE TALKINGとユニットSALT&SUGARのボーカル、そして山下達郎さん・小田和正さんのコーラスやジャズライブ等でも幅広く活躍する佐藤竹善さん。
 バンドのボーカリストでありながらコーラスに参加をするのは一般的でなかった時代、まわりの反対を押し切り当世一流のミュージシャンと声を重ね、信頼されてきたベテラン中のベテラン。幅広い音楽・音楽史への造詣も深く、ミュージシャンに愛されるミュージシャンとしてキャリアを積み上げてきた日本を代表するボーカリストのひとり。

 黒沢さんのSLTリスペクト&竹善さん愛が、トークで炸裂する回。コーラスまで完コピするのも、インストアライブに行っていたというくだりも、実はわたしも胸に覚えがある。NACK5スタジオアルシェで行われたラジオにも行ったものだ。席でうんうん頷いてしまった。
 

1曲目「Spirit Of Love」SLT(黒沢、中西、佐藤)
2曲目「Hotel California」Eagles(黒沢、中西、佐藤)
3曲目「Oh! Yeah!」小田和正(黒沢、佐藤)
4曲目「Rise」SLT (黒沢、佐藤)
5曲目「フラレガイガール」さユり(中西)
 

 その場で組み上げていくセッション、香りも味も豊かにスパイシーで素晴らしかった。

 日本の音楽シーンで本格的なゴスペル様式がヒットしたのは、SING LIKE TALKINGの「Spirit Of Love」がそのはしりではないかと思う。竹善さんによるキーボード弾き語りに、ふたりがミニクワイアとしてコーラスを重ねた。
 「Hotel California」は衆知のとおり、著作権の難しい曲なのでオンエアはなし(※黒沢さんから訂正いただきました。全セッションオンエアありとのことです)。しかし、バンドがとにかく上手い。その場で組み上げられていくハーモニー。「竜宮城みたい」と例えられた歌詞、抜け出せない迷宮のような独特の世界観。
 中西アルノさんが「藤井風さんのカバーで曲を知っていた」と。優れたカバーは人と音楽を繋ぐもの。この番組も、ずっと昔の竹善さんのラジオもそう。それはリスペクトのもと奏でる、繋げる、伝わる、生き続けることと思う。
 小田和正さん「Oh! Yeah!」は、大ヒット曲「ラブ・ストーリーは突然に」がシングルのカップリング。両A面となりこちらのほうが知名度は低いが、コーラスに竹善さんと鈴木雅之さんという豪華でセクシーな楽曲。このコーラスを熱烈に愛し完コピしていたかつての黒沢少年が、時を超え報われることとなった。Take2あり。
 黒沢さんのリクエストで、再びSLTの楽曲から「Rise」を。より洋楽色の強い、フェイクもグルーヴもごりごりの曲を極上のコラボで聴かせる。歌い直しでもう一度楽しめたのが、聴衆としては嬉しい。中西さんの「わたしこんな凄い人たちと番組を」「勉強になりました」のコメントは、ベテランへの尊敬の中により多くを学びとろうという貪欲さも感じさせた。
 中西さんのソロ「フラレガイガール」は、昨年9月に死去が伝えられたさユりさんの楽曲。選んだのは、追悼もあってのことだろうか。バンドを引っ張っていくタイプの曲を歌いたいという言葉そのまま、強者揃いのバンドをしっかり引っ張っていく力はお見事だ。

 黒沢さんと竹善さんのマリアージュは、耳が蕩けて惚れ惚れする。声が生み出す、凄まじいほどのうねり。日本のトップシンガーたちと優れた生バンドの幸せな組み合わせ。
 中西さん、スモーキーでブルージーな声が素晴らしいシンガーだった。目を見張った。

 黒沢さんオリジナルレシピカレー実食コーナーは、今回ホール収録ということでロビーからの中継スタイル。
 和のテイストが混ざり合った「鮭のちゃんちゃんカレー」は、演歌や歌謡曲からR&B、そしてAORへ傾倒していったゲストにぴったり。美味しそうだったな。

 TBS、S&BとJ-COMからお土産をいただいた。多謝。

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なつめ
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」