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結婚できない男たち~イケメン、高収入、高スペック男性が告白!「彼女は神です」
これは私が実際にある酒場で隣に座った男から聞いた話です。
男性は見るからに高スペックを醸し出していました。
ところが男性は独身だったのです。その理由についてnoteをスタートした頃には驚いたことでしょう。
でも私は様々な男女の本音を聞き出してきたので
すぐに彼が結婚できない理由がわかりました。
一言でいえば、その理由は妄想です。もちろん女も妄想がありますが、男の妄想は欲を促す起爆剤になるほど強烈なものです。一方でその妄想に囚われてしまうという諸刃の刃のようなものだと思います。
妄想が自分自身の恋愛に向かっていったら、どうなるのでしょう。
イケメン、高収入、有望、ブランドが似合う。でも彼には結婚願望がない
創業70年以上の老舗の酒場のカウンターで飲んでいた私。
ちょうど大勢の客が帰ったばかりの少し閑散としたカウンターに座っていると、ぼちぼち客が入ってきました。
ある年配男性と連れの男。スーツもネクタイも時計も、ブランド物に包まれ、イタリアの有名なアーティストのような風貌で、なかなかのイケメンです。
男性は私の隣、年配男性は右隣の韓国からの若い女性の旅行者らと楽しそうに話しています。
話しの様子から、年配男性は隣のイケメン男性のコンサルタントで、どうやら接待の二次会でやってきたようです。
そしてこの男性も、社内コンサルというポジションに就く有能そうな男性でした。
酔っていたせいでしょう。
私は韓国の若い旅行者に夢中になって話している年配男性に置いてきぼりをされたイケメン男性に声をかけ
接待の二次会であることを確認してから、沸き起こってきた好奇心に逆らえずにストレートに聴いてみました。
「恋をしていますか?」
すると男性は素直に答えます。酔った勢いでしょう。
「ずっと恋しています」
その後のやりとりで男性が独身だということがわかり、私が「魅力的だから結婚より恋が楽しいのね」と口にすると
男性は意外なことを吐きました。
「大学時代のクラスのマドンナが忘れられないんです」。
男性は40歳を過ぎているようです。では20年前の恋を忘れていないのでしょう。
でも話しているうちに、男性とマドンナには男女関係があったわけではなくて、男性が一方的に憧れていたことが分かってきました。でもどうしても忘れられず、今でも恋しているというのです。
憧れが昇華して「神」となった男の妄想
私はとっさに「彼女はあなたにとって神ですね」と聞くと
驚きと嬉しさが入り混じった表情で男性は「そうなんですよ!」と告白しました。
性的な関係がない憧れの女性が長い間彼の心に棲みついている。
憧れが妄想になり、朝起きると彼女を思い出し、夜寝るときも彼女におやすみという。
もはやマドンナが神となったのです。妄想が神まで昇華したのでしょう。
男の妄想が生み出す産物としての神なのだろうと私は思いました。
男性はもう驚きませんでした。
まるで私が彼の心の中を覗き込んでいることを承諾するようにさらに素直になっていきます。
「そうなんですよ、だから結婚が難しくて」
でも女神が心に棲みついていても、生身の女性を求めることもあるでしょう、男なんだから。性欲に抗えないことだってあるはずです。
「求めますよ。相手はみんな、どこか変な女ばっかりですけど」
言動がぶっ飛んでいるエキセントリックな女性でないと、性的に燃えないのでしょう。
それは日常生活の中で互いに愛を育んでいくという結婚生活に向かないタイプばかり。刺激的な女性が好きなら、腹をくくってそのタイプと結婚して頑張ってみることもできるのですが、イケメン男性にはその気がないのです。
「あなたには結婚する気がないんでしょうね」
てっきり肯定すると思っていました。でも男性は頭を抱えるように「うーん」と言ったきり。はっきりと肯定できない理由はなんでしょう。
いつか独身を謳歌することに限界を感じるはず
その直後、接待の年配男性が隣の韓国からの女性の旅行者らとのやり取りに飽きた様子だったので、再び接待。
私もカウンターのスタッフと話したり飲んだりしているうちに、遅くなってきたので会計を済ませようとしたときに、高年収、イケメン、将来有望のコンサル男性に挨拶がてら、こう伝えました。
「今は健康で仕事も順調で楽しい日々だけど、いつか独身を謳歌することに限界を感じることがあるから、その時から本当の愛情を見つけられるかもね」
独身を謳歌している男性が結婚するきっかけで多いのは、高齢の親族が亡くなってしまう時。家族を喪失してしまった虚しさを埋めようとする本能のようなものかもしれません。
でもそれを初対面の人に話すわけにはいかないので、「いつかね」とあいまいな表現にしたのです。
すると男性は「もうすでに限界を感じていますよ」とぽつり。40歳を過ぎると、帰宅してから真っ暗な部屋に自分で明かりを灯すのが寂しくなっているかもね。
憧れのマドンナを神としてあがめる男性。現実の愛に満たされていないことを彼自身が一番よく知っているのでしょうね。
夏目かをる★コラムニスト、小説家、ライター、コミック原作、タロット鑑定
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2万人以上のワーキングウーマンを取材。恋愛、婚活、結婚をテーマに、
週刊女性などの雑誌や日刊ゲンダイ(夕刊紙)など紙媒体や朝日新聞社telling.などの女性サイトで執筆。
「英語でリッチ」(アーク出版)で第12回ライターズネットワーク大賞受賞。
【小説】
・「ボディ・クラッシュ」(河出書房新社)
・「季節はずれの恋」(講談社ムック本)
https://tcw.jp/moon-river/pdf/kisetuhazure.pdf
・「愛しているといってくれ」、「巡り合う恋人たち」など(いずれも飲食雑誌の巻頭小説)
・恋愛連載小説「眠れない夜」(女性サイトWome)アクセス数№1になる。※noteで再現
https://note.com/natsume_kaworu/n/nfb7c953f55f1
【テレビドラマ再現】
TBS「ワールド極限ミステリー」2021年10月13日放映
CAたちのセクハラ上司逆襲!
https://www.tbs.co.jp/program/worldlimitmystery/20211013.html
※ライティング履歴
https://docs.google.com/document/d/1n63V0M6XT2Het6GGRYbOC-ScTSg8v2EzgtV7n6O0gtE/edit?tab=t.0
【難病克服】
07年、10万人に一人の難病、ギランバレー症候群を後遺症なしに完治。
「生きるを伝える」(テレビ東京)や「特ダネ!」に出演。
横浜中ロータリークラブで卓話など講演も(テーマは「看護師さんを味方にする方法」)
【バーを経営】
新橋芸者ナンバーワンの芸者バーや直木賞作家の元妻の銀座のスナックなど夜の世界で男女の機微をウォッチング。
働く女性が集う赤坂の「園丁」バーを成功させる。
新たなるバーを再開を計画中
【連絡先】
kaorunatumeseven@gmail.com