きっと私は私が思う以上に、ゴスペラーズが好きなんだ
ゴスペラーズを好きになったのは2013年、「ハモ騒動」がきっかけ。
高2だった私も社会人3年目になった。
大学に入ってからライブにも行くようになったけど、ファンクラブに入るのは社会人になってから、と決めていたのでGOSMANIA歴は3年目。
1月29日、Zepp Sapporoにて。
8年目にして1年越し、初めてのファンの集い。
約1時間半、通常のツアーよりも少し短い時間だけど、短さや物足りなさを一切感じない、お腹いっぱいのライブだった。
まずセトリが濃い。「この曲を生で聴くまでは死ねない」リストの曲が次々と。私今日ちゃんと帰れる?大丈夫?
そして怒涛のMCと企画。いつも喋りすぎがち(好き)な5人がいつもより制限なく喋りまくる。
いろんなライブで「声を出せない状況が辛い」と思うことはよくあるけど、それは歌いたいからとか歓声上げたいからとかで、MC中にそう思うのはゴスペラーズだけです。もっとゲラゲラ笑いたい。
他の公演に行った人の話も聞いたりして、企画はその地域に合う話題を準備してくれていたのが嬉しかった。笛木さんのボーナスが上がりますように。素敵な歌声でした。
初めて集いに讃歌して一番に思ったのが、ゴスペラーズのゴスペラーズらしさをどこよりも楽しめるのがファンの集いなんだ、ということ。
2018年の苗場のようなファン投票とはまた違う容赦ないセトリも、ボケ倒してツッコミが飛び交ってみんなで大笑いする、みたいなテンポの良い笑いも、ふとした言葉や仕草から感じ取る5人の関係性も、この場所でしか見られない「素」の部分を見せてくれているような気がした。
ゴスマニになって8年、人生の1/3近くをゴスペラーズと共に過ごしてきた。
これまでもずっと好きだったことに変わりはない。けど、この2年の間しばらくゴスペラーズのライブに行けない状態が続いて、今までの感覚が抜けていってしまったり、自分の心持ちが上手くいかず純粋に楽しめなくなってしまったりする時期もあった。
思い出に縋ってばかりではいたくないのに、そうしないと気づかない間に自分から手を離してしまいそうだった。
去年9月の高崎音楽祭、コロナ禍になって初めてゴスペラーズのライブに行った。
そのときは会えた嬉しさ、歌を聴けた嬉しさでいっぱいいっぱいで、ただそれだけだった。それももちろん幸せなことではあるけど。
それ以来のゴスペラーズ、今回のファンの集いは、「この雰囲気安心する」とか「こういうとこ好きなんだよな」とか、小さくて細かいところまでたくさんの「好き」を見つけた。心に積もるそれはとても静かで、温かくて。
きっと私は私が思う以上に、ゴスペラーズが好きなんだ。
そう気付かされた。
そういえば、初めてゴスペラーズのライブを観たのもZepp Sapporoだった。2015年のNorth waveのイベント。
あの日の私と同じような位置で、それよりももっと近くで、あの日と同じ5人を観る。
「生きてる…!」って、7年経っても同じこと思ってる。昔から変わってないね。
変わったところといえば、世界が広がったこと。たくさんの大切な友人ができたこと。好きをたくさん伝えるようになったこと。
楽しむためにいろんなことに気を配って、覚悟を決めなきゃならなくなったこと。
すごく幸せな時間だった。
だからこそ、一緒に観たい人がいた。観に行ってほしい人がいた。
報われてほしい。チケットを持っていたけどいろんな事情で行くのをやめた人も、申し込むこと自体見送った人も、ずっと頑張っていたのに直前になって諦めざるを得なかった人も。
去年、公演1週間前になって街ハモに行かない選択をしたとき、こんなのもう二度としたくないし他の人にもこんな思いしてほしくない、と思った。
自分で出した答えだからこそ苦しい。行こうと思えば行けてしまう場所・時間であればなおさら。
今回の集いは約1年の延期、何度も調整を重ねて決断し、最終的にどの場所も欠けることなく訪れてくれた。
特に今年に入ってからは気を張ることの多い毎日で、メンバーもスタッフさんも相当な緊張感の中で過ごしてきたと思うと頭が上がらない。
メンバーがたまにSNSに上げてくれる検査結果、きっと全員やってて、毎回怖かっただろうなと思う。
今来れない人が次に来る場所を作るために、今あるライブを全力で守ってくれていた。
行けなかった側にも行けた側にもなって、ようやく受け止めることができた。
ライブを、ゴスマニの未来を守ってくれて、ありがとう。
行けなかった人に、なんて声を掛けたらいいか分からない。自分もなんて声を掛けられたかったか分からなかったから。
運やタイミングさえも味方に付けなければいけないなんて、あんまりだよね。先が見えない中で希望を持ち続けるのって消耗する。
けど、それでも。
「次こそは、」って、何回言ったか分からないくらいになってしまったけど、次こそは。必ず。
きっと5人は応えてくれるはずだから。
あなたも、私も、どうか報われますように。