空飛ぶなつめ
しばらく日本に帰っていたのですが、4月初めにまた磧口(樊家山から一時転居)に戻って来ました。そして、今回こちらに戻るとき一番の楽しみだったのは、なつめとの再会です。昨年12月、帰国直前に招賢の薛生録老人のお孫さんから無理やり“押しつけ”られたのですが、それでもあまりの可愛さに“流れ者にペットはご法度”の掟を破って、磧口のサンア老師に預けておいたのです。
1週間ほどで別れてしまっていたので、もう私のこと忘れてしまったかなぁと思っていたのですが、ちゃんと覚えていてくれました。名前は「なつめ」です。で、最近の私の生活はというと、なつめの都合で回っています。
というのも、実は隣の部屋にいる大家さんが犬があまり好きではなく、その上、とてもきれい好きなので、庭で放し飼いにすることができないのです。いつも鎖に繋いでいます。夜は外に繋いでおくと、空が明るくなる頃に起こされるので、部屋の中で寝かせています。朝は決まって7時半頃に起こされ、トイレ散歩に連れて行って、いったん戻って、夜の遅い私は二度寝します。
9時頃に一緒に朝ごはんを食べて、それから本格的な散歩に連れて行きます。街中は至るところ犬だらけ、しかもほとんどが雄犬で、うるさく寄ってくるので、私たちはいつも高原のてっぺんまで登って、そこで黄河を見下ろしながら、私はたばこをくゆらし、なつめはひとりで運動会をします。ほんとうに活発な犬でものすごい勢いで走り回りますが、私から半径30m以上は絶対に離れないというかわいいやつです。取材に行くときも可能なかぎりは連れて行きます。鎖に繋いで散歩している人などいないので、磧口ではもう“有名犬”になってしまいました。
夕方はトイレ散歩だけ。すぐ前にある草地に行くと必ずうんこをしてくれるので助かります。粗相をしたのは、ここに来た初日1回だけという賢い犬で、おすわりもすぐに覚えました。ところが困ったことに、賢い犬だからこそ大家さんの犬嫌いがわかってちっともなつかず、いまだに彼女を見ると吠えるのです。大家さんも最初の頃は「いいよいいよ」と笑っていたのですが、さすがに最近はむっとし出しました。だから私は今、犬好きの人の家に引越しを考えています。 (2008-05-05)
*最近ここにいらっしゃった方へ。以下になつめの動画がアップされています。見てね。
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