もういくつ寝ると……クメール正月
カンボジアでは、年に3回お正月があります。まずは、西暦1月1日。これは割合に最近のことだと思いますが、定住外国人とヨーロッパからの観光客も多いシェムリアップでは、繁華街でのカウントダウンもあり(去年、今年は自粛)、とても賑やかに祝われます。ついで、もともと中華系の住民が多いカンボジアでは、春節(今年は2月1日)も賑やかで、これはプノンペン、あるいはシハヌークビルが本場。そして、いよいよ来る4月14日が、クメール暦の新年です。
先の2年間は、 covid のせいで街中ひっそりとしたものでしたが、今年は満を持してかすでに街中が迎春気分でワクワク沸き立っています。
ちなみに本日のカンボジアの感染者数は16人。これには自宅療養者など含まれておらず、陽性率もわからないのですが、これまでの政府の厳しい規制からみると、かなり抑え込んでいることがうかがえます。なにしろ外国人観光客を入れるのが最大最終目的なので、日本のようにGo-to だのワクワクだの、ゆる~~い国内政策は取れません。
町の中央を流れるシェムリアップ川両岸とロイヤルパレス(国王の別荘)公園一帯に屋台がひしめき合うようで、最近は行くたびにテントや簡易施設が増え続け、木立にも色布を巻きつけてとてもカラフルになりました(この方法は日本ではあまり見ないですよね)。すでに、地方からの観光客も集まって来ていて、川面の観光ボートも繁盛しているようです。
プノンペンに向かう国道6号線にかかる橋。この橋は伝統行事やイベントがあるたびに化粧直しされて、青空に美しく映えます。
街中至る所で、プラスチックの大きな水鉄砲を売っているのが目につきます。水かけ祭りやるんでしょうね、私はまだ見たことがないので、今年は楽しみ、楽しみ………。
これはトロットダンスといって、正月の間だけ行われる伝統行事です。その家の厄を払い幸運を呼ぶために家々を回り、短い歌とダンスを披露して、それぞれの家からご祝儀をもらいます。日本風に言うなら‶門付け″です。私の出身地方では、三河万歳が有名でした。でした、というのは、今やもう‶無形文化財″レベルじゃないでしょうか?
三河万歳は、お正月の間、恵比寿様と大黒様に扮した二人組の男性が家々の玄関先を回って、「あ~、めでたいな、めでたいな~~」とか扇子持って歌ってご祝儀をもらうというものでしたが、1日に何組もやってきて、そのたびにご祝儀を出さなければならないので、何組か来た後に、母が玄関のカギをかけてしまったのを覚えています。いくらぐらいだったか記憶していませんが、大方どの家でもそうだったと思います。そんな時代でした。私が小学校低学年の頃です。
私もカンボジアで正月を迎えるのは初めてです。例年、1年で最も暑い時期のはずですが、幸か不幸か今年は天候不順でぐっと涼しい日々が続いています。あと3晩寝るとお正月ですので、クメール正月本番の状況を、これからあれこれお伝えしてゆこうと思っています。