観察記録できるアプリの比較
日本語で利用できる、観察アプリの比較表を作成しました。
空欄は調べきれていないところで、今後更新する可能性があります。
掲載・紹介順は比較しやすくするためで他意はありません
お気づきの誤りや追加情報があればお知らせ頂けると幸いです。
全動植物対象のツール
世界的にはiNaturalist、日本ではBiomeがよく使われています。
個人の記録を管理するツールとしてはNレコ、昆虫標本データを整理して活用するには個人収蔵.comが良いツールとなりそうです。
それぞれの良い所・欠点を簡単に書きます。
iNaturalist
良:全世界でよく使われている 機能が充実
※ 写真必須と書いているが、投稿自体は写真・音声無しでも可
いきものログ(環境省)
投稿者側のメリットは他ツールより大きくないが、調査協力などをしやすい。
Nレコ
良:フィールド記録に使いやすい
欠:これからの機能拡充に期待
Biome
良:ゲーム感覚で動植物を集められ、使っていて楽しい
欠:データを取り出せない 利用者の同定が甘い
個人収蔵.com & WebSpecimanager
標本を管理できるWebSpecimanagerと、標本情報を投稿して誰もが検索できるようにする個人収蔵.comの連携
良:記録管理しやすそう 検索しやすいのが嬉しい
英語圏ではObservation.org、Nature's Notebook、Project Noah、WildObs等があるようです。
鳥・植物対象のツール
鳥2つ、植物2つ紹介します
eBird
良:使わない理由が無いぐらい良い 研究への利用が盛ん
注意:非公開にすると研究に使われない
バードリサーチ フィールドノート
良:日本の繁殖分布調査に則した報告ができる
Pl@ntNet
(使ったことないのでわからないです。アジアではあまり使われていない。)
GreenSnap
良:植物のSNS 園芸業界が作っているので育てる面の情報も
植物ではPictureThis、NatureID、ハナノナなど他にもたくさんアプリがあります。しかしながら園芸業界での開発がメインとなっており、野外の植物を記録して公開するにはiNaturalist等が適しているように思います。
調査ツール
観察記録を集めるツールではないですが、調査に使えるツールとしてスーパー地形を比較表中に入れました。
地点記録を目的とする場合に使いやすいと思います。
ただし、Nレコで種別のコメントができるようになったら自分はNレコに移行しようと思います。
個人的なまとめ
投稿者のメリットが大きいのはBiome、iNaturalist、eBird
鳥にはeBird、標本情報の公開には個人収蔵.comがベスト
地点情報の記録にはNレコが便利そう
BiomeやGreenSnapのようにSNS機能を楽しめるツールも良い 自然観察初心者にも勧められる
データ利用を考えたらGBIF(地球規模生物多様性情報機構)と連携しているiNaturalistとeBirdは良く、個人収蔵.comもこれから利用されるようになりそう
ここ数年で利用しやすく発展しているツールが多く、使いやすいツールに期待
それぞれの目的に応じて、複数のツールを使い分けると良いかと思います。
生物データの集積と利用が進むことで、よりよく生物の恵みを享受できるような社会に繋がってゆくと信じ、地道に生物の記録をしてゆこうと思います。
追加・訂正等の情報あればコメント頂けると幸いです。
(古い表を消さないようにしながら)今後、更新します。
2024-05-07 公開
2024-05-08 左半分更新
2024-05-18 植物とNレコ更新