SABF2019に出展して思ったこと
3回目の出展「SABF2019」
Seoul Art Book FAIR 2019(Unlimited Edition 11)
ソウルの書店YOUR MINDが主催の韓国最大のアートブックフェア。
会場は、ソウル市立北ソウル美術館(The Buk Seoul Museum of Art)。
去年の11月の3日間、韓国・ソウルで開催されたアートブックのイベント「Seoul Art Book FAIR 2019(Unlimited Edition 11)」(以下SABF2019)に出展しました。
2018年については、こちらをご覧ください。
11月というのもあって、ソウルはとても寒い。ですが、イベントの熱気は本当に圧倒されるので、今年もまた熱気を浴びるため、ひとり韓国へ向かいました。
イベントが始まる前の会場はこちら。
会場はとても美しい美術館で、天井も高く道幅もあるため、スッキリした印象。
わたしのブースはこちら。
今回も、スタンプコーナーを設置し、お客さまにスタンプしてもらえるようにしました。
コミュニケーションについては、いろいろ工夫が必要でした。
2018年は、英語・韓国語・日本語が話せる友人のキムさんに、通訳をお願いしましたが、2019年は不在だったため、コミュニケーション、搬入・搬出のすべて、ひとりで行いました。
そのため、作品説明の韓国語のキャプションを作り、作品の前に設置しました。そうすることで、韓国語や英語が喋れなくても「ココを見て!」とキャプションを指差し、お客さまへ作品説明の誘導ができます。ちなみに、キャプションの翻訳は、翻訳機でなく友人の韓国の方にお願いしたので、正確さはバッチリです。
イベントがはじまれば、あとはわたしの得意なデタラメ英語をひたすらくりり返すだけ。
「This is stamp!!」
「Don! Don! Don!」
「Japanese old man is interesting!」
どうですか?**なんとかなるもんです。
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出展作品について**
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今回出展した作品はこちら。
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❶
ZINE「東京おじさんSTAMP」**
今まで街中を観察し制作した20人の「おじさんスタンプ」を、実際に観察した場所などテキストとまとめた本。
❷
ZINE「TOKYO SALARYMAN STAMP」
全部で367人のサラリーマンスタンプの本。
B5サイズですが、開くとB2サイズのポスターになります。
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❸
ステッカー「TOKYO OLDMAN STICKER」**
全部で4種類のおじさんステッカー。
大きさはiPhoneサイズ。台紙は東京タワーとビル群の絵柄。
❹
ポストカード「TOKYO STAMP POSTCARD」
スタンプで押して作ったポストカード。
印刷でないので、1枚1枚個体差があります。
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❺
手ぬぐい「TOKYO SALARYMAN TENUGUI」**
全部違うサラリーマンの柄の手ぬぐい。
この中で1番販売数が伸びたのはZINE「TOKYO SALARYMAN STAMP」でした。販売しはじめて8年目ですが、未だに1番の人気商品となっています。
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そもそも本が売れないからこそ**
個人的な見解として聞いていただきたいのですが。
「本が売れない」「本屋が潰れる」という声をよく耳にしますが、その勢いは韓国でも強いそうです。韓国の友人に聞くと、個人差はあるにせよ「本を買う習慣があまりない」と即答されてしまいました。
韓国の書籍デザイナーの知人は、ソウルの美術大学で書籍デザインの講義をしていると、生徒から「本よりWEBデザインを教えてください」と声が多く上がったんだとか。なんだか本が求められていないと感じ、ついには退職してしまったんだそう。せ、切ない。。
なのでSABFは、韓国で本が売れない中、アートブックに特化したイベントということで「マニアックな人たちが行くイベント」という印象があったとか。日本でも同じかとは思いますが、逆にカラーが濃い分、一定の層にはドンピシャなイベントなのかもしれません。
そのせいか、会場がソウルの中心街からは遠いにもかかわらず、来場者数も多く、お客さまのバンバン買って行ってくれる熱気が印象的でした。アートブックだけでなく、雑貨など幅広く展開していており、いうほどマニアック向けという感じもしません。
展開を幅を広く、内容は深くマニアックがいいのかもしれません。
他のブースの方はこちら。
ちなみに、書籍デザイナーの知人は、はじめてこのイベントに来たとき「本のイベントでこんなに人が集まるんだ!」と感激し、新たな本の未来を感じたそうです。
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キャッシュレス文化**
これが、ほんとすごかったんです。。キャッシュレスの波が。
ほとんどの支払いが、ピピピ。
若い人はそもそも現金を持ち歩いていなかったり。
前回のイベントでもキャッシュカードの人が多く、現金のみの取り扱いでなんとか乗り切っていました。ですが、今年はさらに輪をかけてキャッシュレス化が進み、何十人の方にキャッシュカードでの対応を断りました。
すると、隣のブースの方から声が。
「わたしたちのKAKAO BANKを使いなさい。。」
映画「フィールド・オブ・ドリームス」風のその声に導かれ、わたしはケヴィン・コスナー のように言われるがまま隣のブースの方へ。そしてKAKAO BANK(銀行振込)を使わせていただくことに。その後は一度も断ることなく、対応ができるようになりました。
今回は、偶然神様のような優しい隣人に出会えたから乗り切れたものの・・・
来年は絶対カード対応にしないとまずい。まずすぎる。
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デタラメ英語でうっかりミス**
KAKAO BANKを使わせてくれた方の逆のブースは、若い女性と男性の2人組でした。
販売しているのは、シティ・ポップのレコードジャケットのような、イラストのアートブックで、飛ぶように売れていて行列が絶えない人気ぶりでした。
ちなみに隣の彼に「山下達郎が、好きそうですよね」と伝えようと思ったのですが、ここでデタラメ英語のボロが出る。うっかり「山下達郎に、似てますよね」と伝えてしまったではないか。
「えっ?!」と声をあげ、おどろく彼に「違う違う!」と言ってももう遅い。英語が喋れない日本人ということで、なんとか許してもらいました。
こんなやりとりがあるにせよ、SABFでは必ず隣のブースの方々が親切に助けてくれます。
デタラメ英語を連呼しているせいでしょうか。
日本人がひとりで出展しているのを、心配して見守ってくれるのかもしれません。
なので、いつもさみしい思いをしたり、大変なミスをおかしたりすることはなく、穏便にイベントの終えることができます。
もうさみしいなんていわないよ絶対
今回は通訳のキムさんがいなかったので、韓国の友人2人がそれぞれ一緒に食事をしたり、車での送り迎えをしてくれました。
とくに食事は助かりました。
一昨年は、あたたかい床暖房(オンドル)に腹ばいになり、コンビニで買った冷たいキンパ(海苔巻き)を、ひとりむさぼり食べる毎日。お前は車にひかれたカエルか。12月の寒い夜に、切なくて涙が出そうになりました。
でも今回は、韓国滞在時はずっと友人が一緒に過ごしてくれ、心と胃が温まりました。
ちなみに食事は、連日焼肉でした。
太って帰国しました。
韓国のおじさん
街中を歩いているときは、ソウルのおじさんを中心に写真を撮影していました。その写真素材を使って、スタンプを制作しました。
路上のタバコおじさん
イートインでカップスープをすする、コンビニおじさん
おじさんについて、くわしい内容はこちらに書いてあるので、ぜひご覧ください。
最後に
ブースでポーズを決めるわたしのスタンプ。どうだ。
2020年も行くことができたら、長く滞在して出展も観光も全て満喫したいと思います。
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