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さようなら3人家族、こんにちは4人家族

5月5日はこどもの日ということで、こどもの国に行ってきた。

ゴールデンウィーク真っ只中で中学生以下無料のこの日、天気は快晴、最高気温は29度。当然、だいぶ混んでて行列ばかりだったけど、こいのぼりを見たいという息子の希望もあって行ってきた。
臨月ではちきれんばかりのお腹を抱え、日焼け止めを塗り忘れた首元と腕はバッチリ日焼けしながら、ちゃっかり名物ソフトクリームも食べてきた。

こどもの国には白鳥湖という湖があり、足こぎボートに乗れることを2回目の訪問にして初めて知った。
かねてより船に乗りたいと息子が言っていたし、これは乗るしかないと行列に並んだ。乗りたかったという大型客船にははるかに及ばないスケールなのだが、まあ舟ではある、と思う…。

夫と私が両サイドで足こぎしてペダルを回し、真ん中に座った息子がハンドルを握って右や左に旋回させながら進む。30分ほど湖をめぐって楽しんだ。

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さて、もうすぐ第二子が産まれる。

ついこの間、二人目をどうするかについて話していたはずなのに、なんだかんだあっという間に子を授かり、育ち、あと2週間ほどで予定日らしい。

コロナ禍ど真ん中で迎えた一人目の妊娠とは、だいぶ勝手の違う10ヶ月だった。とてつもなく慌ただしかった。コロナが過ぎ去り外出に制限のなくなってきた社会、2歳児を育てながらの妊娠生活、出産ぎりぎりまで詰め込んだ仕事。こんな中であの人もこの人も出産を迎えてきたのかと思うと、先人たちの偉大さが身に染みる。

前回と比べて、お腹の中の赤ちゃんに構ってあげられる時間の余裕は圧倒的に少なかった。申し訳ない。そして、それを察しているかのように主張を繰り広げる赤ちゃん。妊娠初期の切迫流産に始まり、お腹が突き出てくるのも早ければ、胎動なんてだいぶ前から目視確認できるくらい激しく、逆子になったり戻ったり、等々。日常生活を普通に送るのってこんなに大変だったっけ。

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それに、不安もある。

正直に言ってしまうと、少し前までは心のどこかで出産後のことをあえて考えないようにしている自分もいた。

単純に私たち夫婦ふたりが2歳半差の子どもたちを育てることへの不安はあるし、前回の分娩が命懸けになってしまったことや子どもまでNICU行きになったことは何度も頭をよぎる。

だけど、一番は今のこの幸せな毎日が変容することへの不安なのかもしれない。初めての育児生活が始まってからの2年半は、大変なこともあったが概して平和で穏やかな日々だった。最近みるみる言葉が達者になりできることが増えていく息子は、意思疎通ができて頼もしい存在にぐんぐん成長している。
「パパ、ごはん食べまちゅよ〜」
「起きまちゅよ〜」
私が言ってもテコでも動かない夫をやすやすと息子が動かしてくれる。ありがたい。

40代を迎えた大人2人と2歳児という3人暮らしの家庭は絶妙なバランスで回っていて、今のところ大した問題も事件もない。イヤイヤ期とか癇癪とか病気をしたりケガをしたりといろいろあるが、在宅の自営業というワークスタイルに加えて、保育園と実家の存在に支えられ、人生の絶頂期かもしれない幸せな毎日を送っている。この幸せがずっと続けばいいのに。

息子がパパもママも大好きで、3人でいられる喜びをにこにこ笑顔で表現してくれることにも救われる。パパが夕食時に帰宅していないと「パパは?」と聞いてくるし、パパと一緒にお風呂に入りたいし、いつだって一緒に遊びたいらしい。もちろんママのことも大好き。じいじばあばも大好き。ああ、平和。この状態がずっと続けばいいのに。

一方で、息子は赤ちゃんが産まれることをあまり認識できていない様子もある。
しばらく前から、大きく膨らんだお腹を見せて「ママのお腹に赤ちゃんいるよ」と伝えてきたが、なぜか息子の中では "赤ちゃん=おへそ" だと解釈され、自分のおへそを出しては「赤ちゃん!」、パパの服をめくっておへそを確認しては「パパの赤ちゃん!」と言っている。そして、都合よく自らを赤ちゃんと自称して抱っこを要求している。

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まもなく入院のためママが不在になり、やがて小さな赤ちゃんが登場し、パパとママが赤ちゃんのお世話をしている日常が訪れたとき、息子は一体どう感じるのだろうか。
息子が産まれて以来、私は自分の人生を生きるのを一旦傍に置いて、しばらく息子の人生の一部を生きることにした。加えて、これからは赤ちゃんの人生の一部も生きていく。違う個性の2人の人生を守りながら、それぞれの未来を育んでいく。
「息子には、ひとりっ子じゃなく下の子がいたほうがいいよね」から始まった妊娠生活だったけれど、第二子は上の子の付属物でもなんでもなく純粋に個人である(そういえば、夫も私も第二子だが、姉の弟妹として生きてきたわけではないもんな)。息子とはまた違った個性に同じ熱量で向き合っていくことになる。

どんな個性なんだろう。何が好きで、どんな反応をするんだろう。私たち家族の形はどう変わっていくんだろう。

不安はある。だけど、楽しみでもある。

こどもの国で乗ったボートには2人目の子どもが乗れるスペースもあった。だけど、家族4人でまた別の船に乗ってみるのもいいなと思う。

ここからまた始まる0歳育児。安定と快適を手放して、いざ混沌へ。さあ、いこう。

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