生後8か月のきみ
--今日も離乳食、気が重い。
歯のない人に食べさせるのがこんなに骨の折れるものだと知ったのも、息子と暮らすようになってからのこと。お粥の裏ごしって‼︎
そもそもお粥って歯ごたえもないもののはずでは……。手をべとべとにしながらお粥を漉し、次はにんじん、ほうれん草……とやる頃にはかなりへとへと。たまらずハンドブレンダーを購入した。ちなみに私はコードレスタイプにして正解だった。コンセントの位置を気にせずガーッと鍋に突っ込めて便利である。
--離乳食あるある。離乳食作りにかける時間や努力と、赤ちゃんの食べっぷりは比例しない。なんなら、頑張ったときに限って全然食べてくれない。
柔らかくしたつもりの野菜を何度も吐き出されたり、昨日は喜んで食べていたはずのお粥を拒否されたりすると、なんかもう、嫌になる。
何なら食べてくれるの!?
で、市販のベビーフードをあげると、もりもり食べ、がっかり。
……まあ、いっか。息子が喜んで食べてくれれば。
やっと少しずつそう思えるようになった頃、息子が食パンをそのまま食べられるようになった。ショッピングモールのパン屋でサンドイッチの端っこを息子にあげながらランチできた日の嬉しさを、私はきっと一生忘れない。
その後も拒否されるとやだなと思い、何かと面倒に感じていた離乳食作りだが、ある日ふと思った。そもそも「気が重い、面倒だ」と思いながら作られるご飯が美味しいものかな、と。
負の思いをふりかけられたご飯は、きっと初めから美味しくない。思うように食べてくれなくても、それはそれ。こちらは、こうしたら美味しく食べられるかな? と工夫して善意でやったんだからそれで良し。赤ちゃんも人間だもの。色んな気分のときがあって当然なんだ(自分に言い聞かせ!)。
物事全てに言えるけど、真正面で向き合うのは労力がいる。育児は長いスパンだから、受け流していけるとこはしていかないと。息子はなんだかんだ育ってるし、まずは自分の心の健康が大事!!
……と思いながら、今日もご飯を吐き出され、やっぱり少し凹むのだった……。