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できれば気絶していたかった〜帝王切開の記録 その2〜

無事に子が産まれたら終わりではない。私は未だ、手術台の上。

手術日が決まったとき、医師からの説明の中で、「赤ちゃんが出た後、お腹を閉じるときは眠るように薬を入れるか」と問われ、「是非お願いします!」と希望しておいた。

手術前日、再度、看護師から当日の流れを説明され、そのときにも同じことを聞かれたので「是非お願いします!!」と力強くお願いした。しかし、そのとき「うん、わかった〜!でも先生によっては希望が通らないこともあるんだよね」と不吉なことを言われていた……。

嫌な予感は的中、当日派遣されてきた麻酔科医は希望が通らない側の先生だった。またも私は手術を最後まで見届ける(聞き届ける?)こととなる。見えないようになっていたのが救い。

今回はそこまで詳細な感覚はわからなかったが、何かを吸い出す作業が非常に気持ち悪かった。子宮を切っているので、おそらく羊水や血液を綺麗に吸い出しているのであろう音、その機械をお腹に当ててお腹の皮膚が一緒に吸われている感触。

--「先生、素朴な疑問なんですけど、帝王切開って何回までできるんですか?」

手術前の検診で、担当医に聞いてみた。

「色々な意見があるけど、私個人としては何度でもやりますよ。ただし、開腹する度に皮膚を切って縫ってを繰り返すので、お腹の皮膚が引っ張られて傷が開きやすくなる可能性はあるけどね」

……先生、私、もう二度と産まないと思います!!!(泣)

友人などは帝王切開で3人産んでいるし、世の中にはもっと産んでいる人もいるのだろう。しかし、緊急であろうと予定であろうと、体にメスを入れる出産は、私にとって相当なダメージとストレスで、次回があるなら完全に記憶を消してから臨みたい。

「はい、終わりまーす」終了の声。

「終わりましたよ」と私が眠っていると思った執刀医に声を掛けられ、「ありがとうございました……」と弱々しく答える。

処置が終わると体にかけられていたカバー類がどんどん外され、一糸まとわぬ姿を手術台に晒す。命の前には羞恥心などないんだと、今回も思い知らされた。

体の下に敷いたシーツ(?)ごとストレッチャーに移動させられ、術後1日を過ごす部屋へ。早くも後陣痛が始まり、激痛に悶える。脚の麻痺が気持ち悪い。変に寒い。脚を電気毛布で温めてもらい、座薬を入れてもらった。
携帯をいじったり、隣のナースステーションの話し声を聞いて気を紛らしたりしながらその晩を過ごす。他に集中しないと痛みに支配されそうになるのだ。

--これが「お腹を痛めたお産」のひとつでなくて何なのだろうか?

傷の痛みに耐えながら体を折り曲げ、やっとの思いでトイレに行く、術後2日目の私はそう思うのだった……。

《おわり》

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なつこん
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