生後4か月のきみ
……あれ? いつの間にうつぶせになってる。これって寝返り?
今まで3人掛けソファを息子のベッド代わりにしていたけれど、そろそろ危険かも。
新居が決まっていて良かった。ここに住むのもあと少しだ。
--里帰りから自宅へ戻った当初、息子は大人用ベッドで寝かせていた。しかし、我が家の寝室にはエアコンがなく、窓は外に押し出して開けるタイプで、網戸もない。蒸し暑くなってきたある日の夜、大丈夫かな〜と油断して窓を開け放していたら、何箇所も蚊に刺されてしまった。1LDKの狭い我が家。それ以来、息子の居場所はリビング一択になった。
リビングで寝起きする息子に合わせ、夜10時には最小限の明かりで生活するようになった。
夫は家で仕事をすることも多かったが、息子が生まれてからはなるべく会社で済ませてから帰ってきてもらうようにした。夜、どうしても家で仕事をするときは、暗がりでするか、空調のない寝室でしてもらった。
それでも、夫は不都合に思わないといい、薄暗い中で夕飯を食べ、息子の寝顔を嬉しそうに見ていた。寝るときは文句も言わず、空いたスペースに身を横たえる。……できた夫だと思う。
でも、仕事で週2~3日は帰って来ない夫と、毎日家にいる私とは違う。ひとつの部屋で寝起きして、食事を作って食べて、息子と遊んで……という「食う寝るところに住む」生活が私には耐えがたかった。
今まで平日は仕事して、休日もほぼ出かけていたのでなおさらそう感じたのだと思う。
そろそろ引っ越さなきゃね、とのんびり始めた家探しが一気に進んだのは、息子を迎えて変化した生活で、少しずつ溜まっていった私のストレスが原動力だったのかも知れない。
引っ越し用の段ボールに囲まれて、さらに狭くなった部屋で迎えた最後の夜。
ここで結婚生活を始めて、子どもが生まれてと考えていたらなんだか目が冴えてしまい、Amazon videoでディーン・フジオカのドラマを見始めた。突っ込みどころ満載で韓国ドラマみたいな展開だったが、結局やめられず、最新回まで見る頃には空が白んできた。
……さてと、起きたらチビにおっぱいあげて、着替えて支度して……。
息子にとって生まれて初めての引っ越しの日。
今日も、暑くなりそうだ。