音符に込められた想いとは。 演奏後記②
では、前半プログラムの続きを。
シューベルト
♪ねむれ ねむれ 母の胸に 〜
この歌詞でおなじみ、シューベルトの子守歌。
シューベルトは15歳でお母さんを亡くしていて、19歳でこの曲を作曲しています。
200年以上経ったいまでも、母から歌い継がれるこのメロディには、子供としてのシューベルトの切ない想いが込められていると思うと、心がきゅっとします。。
ちなみに、この日本語訳をつけたのは内藤濯。星の王子さまの翻訳者さんとしてご存知の方も多いかもしれません。
シューベルトを語るとき、「シューベルティアーデ」という単語が出てくることがあります。
彼が友人たちと開いていた音楽会のこと。
シューベルトは多才な友人と創作・作曲をして、みんなで集っては音楽を楽しんでいたんだそうです。
その楽しさ、今の私たちにもわかりそう!
友達を大事にする気持ちとか、
時代もツールも違うけれど、感性の合う仲間たちとものづくりをする喜びはきっと変わらないですよね。
歌曲や室内楽がここからたくさん生まれています。
〝ます〟はのちにアンサンブル編曲され、シューベルティアーデを代表するような一曲としても知られています。
ドビュッシー
フォーレ
場所をフランスに移しまして。
今回演奏したドビュッシーの「子供の領分」とフォーレの「ドリー」には、数奇な関連があるんです。
まずはフォーレから。
「ドリー」というのは、懇意にしていた家族の娘さんの愛称です。彼女の誕生を祝ってこの〝子守歌〟が贈られて、以降誕生日に一曲ずつプレゼントされて組曲となりました。
なんてすてきな誕生日プレゼントでしょうか!
さて、このドリーちゃんのお母さま、実はのちのドビュッシー夫人となります。
2人の間に生まれた子供シュシュのためにドビュッシーが作曲したのが、「子供の領分」
でした。
「ドリー」と「子供の領分」は、姉妹のためにそれぞれ書かれた音楽となりました。
ふしぎな巡り合わせですよねー。
そうそう、ちょっと単語が聞きなれない「ゴリヴォーグのケーク・ウォーク」ですが、
ゴリヴォーグとはシュシュのお気に入りだったお人形。
そしてケーク・ウォークとはアフリカのダンスのこと。なので人形が踊っているイメージの曲なんです。
リズムが楽しいメロディからパパからの愛、たっぷり感じますよね^^
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