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ましひろさん①

多くの女装イベントに参加され、女装界隈の時事ネタをとりあげる「聖装新聞」の創設者ましひろさんに取材させて頂きました。
①では女装をはじめられたきっかけや、その思いを伺いました。

28歳のときに、はじめて女装されたと拝見しました。きっかけはなんだったんですか?

ましひろさん 結婚式の余興でバニーガールの格好をしたことがはじめてだったね。

~面白いですね!そこから継続されるようになったのはどういう思いがあったんですか?

ましひろさん 当時の2010年頃に、世間で軽い女装ブームがあってね。「おもしろそうだな。ちょっとやってみたいな」と思った。
それで実際やってみたら
今までない価値観というか、自我に気づいたのよ。

それまで男としてずっと生活してきて、自分自身が美しくなりたいって気持ちはなかった。芸大出身だから、美しいもの面白い物を生み出したいって気持ちはあった。でも、自分がつくるものじゃなくて、自分自身が美しくなりたいって感情が芽生えたのははじめてだった。自分の感じ方に戸惑ったって言い方が正しいかもしれない。自分が理想とする美しさっていうものを表現できたり、なりきったり、追求したりできるってことが面白い。自己表現の幅が広がるなぁって感じたんだよね。

~芸大出身なんですね!そこで何かを表現したりとか、美しいものが好きっていう感性を育まれたんですか?

ましひろさん 芸大の時は創作と研究ってテーマが分かれていて、私は研究が専門だったけどね。芸術家の人たちがどういう風に考えて創作してるかってことは勉強してた。そういう考え方は自分の中に落とし込まれてると思う。だから女装した時、作るだけじゃない、書くだけじゃない、自分をキャンバスにして表現できる楽しみがあるなって気付いたのよ。

〜よく変身願望って言い方もしますけど、綺麗になれることが中毒みたいになりますよね。
そういった気付きがあって、女装にのめり込んでいったんですか?

ましひろさん いや、継続したわけじゃなく、実はそこから5年くらい女装を断絶するのよ。再開したのは30超えてからかな。
その時に結婚をするかもって話があって。結婚するならやり残したことないかなって考えた。
それで、「女装だ。女装したい」と思ったのよ。
嫁さんも女装のことをどう思うかわからないし、自由もなくなるっていうし、今しかかない思ったのね。結局いろいろあって結婚はしなかったけど。それが再開したきっかけ。

~それで女装を再開されたんですね。外出もされるようになったんですか?

ましひろさん いや、女装を再開はしたけど、外に出れるようになるまで1年くらいかかったね。他人から見て自分がどう映るのか分からない。それが不安だった。

~そうですよね。私もはじめは外出がかなり不安でした。深夜のコンビニから始めたりしました。
そのころは2015年くらいですよね?結構Twitterも盛んだったと思いますが、そこでつながりを作っていったんですか?

ましひろさん うん、Twitterの存在は大きかった。そのころTwitterをはじめて、女装界隈ってこんなに大きいんだ。いろんな人がいるんだって驚いた。Twitterがなかったら、きっと女装を続けてなかったと思うよ。
だから、大きかったのはTwitter。あとネット通販。amazonとか。やっぱり化粧品やレディースの服を男が買いに行くのもはじめは勇気いるよ。デパコスとか、服のサイズを合わせたい場合は買いに行くけど、そうじゃないときは未だに通販使うことが多い。

~最初の頃はどんな女装だったんですか?その頃はギャルが正義みたいな風潮でしたよね。

ましひろさん わかるわかる。私もギャルというか、キャバ女装に一番手応えを感じた。ギャルって変わり幅が大きいじゃない?

~そうですね。単純に派手だし一番変化は大きいですよね。
それで一年くらいお家女装されて、実際外出をされた訳ですよね。偽娘(うぇいにゃん)とかに行かれたんですか?

ましひろさん そう!忘れもしない。2016年の夏。まさに偽娘に行ってみたの。そのとき接客してくれたのが大明神ゆきさん。当時はまだ新人だったけどね。お店の名前も女の子クラブだった。

~ゆきさん!私はじめて行ったとき、失礼なこと言いました。「めちゃくちゃ女性ですね!声はどうやってるんですか?」って(笑)

ましひろさん 私もそれやった!純女やったんかい!って。そのときは家で化粧してB面の服で行ってた。それでお店でA面に着替えて、またB面に着替えて帰るってことをしてたね。A面の姿で外を歩くのが恥ずかった。

~わかります。それでまた行こうかなぁって、定期的に通うようになるんですか?

ましひろさん そうだね。でもなんで女装を続けたかっていうと、納得いかなかったからだと思うんだよね。こんなはずじゃない、もっと綺麗になれるはずだって。

~もっとかわいくなれるはず!って思いますよね。

ましひろさん そうそう!こんなもんじゃないって思うよね。負けず嫌いというか。結局客観的に見ると自分なんてそんなもんなんだけどね。

~そのあたりで、鰺さんとかと出会うんですか?

※鯵さんのTwitter


ましひろさん
 そう。同じ年だったかな。はじめて女装イベントに参加した。今もやってるディスコファンタジア。いわゆるスコファンってやつ。そこで初めて会ったのが鰺さんとReiさん。

※Reiさんの取材記事

~Reiさんも!そこで出会うんですね。濃い出会いですね~。

ましひろさん そうそう。鰺さんもReiさんもTwitterで存在は知ってたけど、はじめて会って話したのはこのイベントだった。
やっぱり女装って最初の頃の出会いは大きいんだよね。私はそこでReiさんと鯵さんに会って、ある程度方向性が決まったと思う。思い上がりじゃないけど、ある程度自信つけて意気揚々とイベントに行った訳よ。でもそこでReiさんを見て、自分の思い上がりが粉々に叩き潰されたのよ。なんだこの綺麗な人は!って。粉々になった(笑)

~Reiさんほんとに素で美しい人ですもんね。

ましひろさん そうなのよ!自分はどうやったってこの人みたいにはなれないって思った。前から薄々気づいていたんだけどね。私はみんなが大好きなカレーや牛丼にはなれない。だから、珍味みたいに刺さる人に刺さればいいって開き直った。ピータンみたいな(笑)

~それで面白いネタを考えて提供するということを始めたんですか?
Twitterでのネタが秀逸すぎて大好きです!昔から面白い人って言ったら失礼なんですけど、面白いことを作り込むようなことが好きだったんですか?芸人さんでは、、、ないですよね?

ましひろさん 芸人じゃないです!(笑)ただのサラリーマンです。
たしかに元々そういう気質はあったと思う。それがより明確になったのが、Twitterでネタを投稿し始めた頃だね。ちょっと砕けた言い方をすれば、ブスがネタをしてもブスなだけだけど、ある程度小奇麗な格好をしてネタをすれば見栄えもいい。そんな理由もあって、外見にもこだわりたいって思ってる。

①はここまでです。お読み頂きありがとうございました!
明後日投稿予定、ましひろさん②に続く。是非ご覧ください(^^)✨

ましひろさんのTwitter


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