ゆなさん《後編》
ゆなさんへの取材記事、いよいよ後編です。
ゆなさんの思う性的マイノリティを感じている方への思い等を伺いました。
~3年ほど前から本格的に女性ホルモン治療をされているんですよね。いわゆる女性装で生活をされるようになったのも、その頃からですか?
ゆなさん 結婚してからの話であればそうだね。でも髪は結構早い段階から伸ばしていたよ。大学の頃も女性装だった。
子供ができてからはジェンダーレスな感じでいることが多かったけど、数年前からは女性装で過ごしてる。
~女性装で生活していて困ることはありますか?ゆなさん声も高いし、あまりなさそう。
ゆなさん いや、やっぱり声もコンプレックスだよ。かすれるしね。声をよく出す仕事でもあるし。
あとやっぱり、トイレはものすごく大変よね。会社で一つだけ男女共用のトイレ作ってもらって、そこを使ってるけど、プライベートでは困ることが多い。
~私はレディースの服を試着したり購入したりっていうことは、なんの抵抗も恥ずかしさもないんですが、下着を購入とかは少しハードルが高かったりします。ゆなさんは行きつけのところがあるようですが、もうハードルのようなものはないですか?
ゆなさん うん。何もないね(笑)やっぱり商品知識が高いところがいいから行くところは決まってくるね。
~そうですよね。骨格も女性じゃないし、詳しくないとお店の人も困りますしね。
ゆなさん 測ってみたらいいじゃん。お店いっぱいあるし。今日も来る前に3Dで測れるみたいなところあったよ。買っちゃおうよ。
~ちょっと頑張ってみます!一緒に行きましょ~
~Twitterで美容院の看板を書いたりと、デザインもできるのかって驚いてました。絵も勉強してたんですか?
ゆなさん いや、そんなことないよ。勉強とかはしてないんだけど、デザインとかは街を歩いてたり、いろんなもの見るときに、あ、このデザイン可愛いな。覚えとこうみたいなのがストックされる感じはあるかな。いざ何かを書いたりって場面になったときに、あのデザインみたいに表現したら面白いかなみたいに使うことあるね。
~理系っぽいなあ。かっこいいなあ。
ゆなさん そうだよ。理系脳、男性脳だよ(笑)性自認が女性でも女性脳じゃないとだめなことないからね。私はこのままで、仕事でも男たちをなぎ倒していくから(笑)いかにロジカルに説明するかって思考になる。
~かっこよすぎる。ついていきます!
~聞くか迷ったんですが、ゆなさんたちが目指してた新しい家族の形(オープンマリッジ 夫婦ともに彼氏を作り、奥様、彼氏、子供たちで住む。ゆなさんは別居し子育てに参画)がうまく行ってないですか?
ゆなさん そうだねぇ。別々に暮らすようになったけど、後ろ向きな話じゃなくて、いろいろ考えて一番スムーズな形にしていきたいって話し合ってるよ。これからも子育てには向き合っていくからね。生活面とか、経済面とかいろいろ考えて一番いい形を作っていくつもり。人生は家族だけじゃなくて、周りの人たちも関わっていくから、みんなが納得できる形で結論出していきたい。
~最後にこれを聞きます。性的なマイノリティを感じてる人たちに対して、なにか思うこと、伝えたいことがあれば。
ゆなさん 私の考えだけど、自分の周りだけ変える努力をしたらいいと思うよ。社会全体を変えようっていう考えも無駄ではないと思うよ。でもそこから攻めるよりも、葛藤しながらも自分らしく、普通に生活する。ちゃんと社会性がありますよってことをみんなに知ってもらえたら、それでいいんじゃないかな。それがいろんな場所で起こることで、社会が変わるってことになると思う。その人が自分らしく生きて、周りとの関係性を構築していく。私はそれが大事だと思うし、そっちの方がハードル高くないんじゃないかな。
~例えば私も、はじめてお化粧して出社するとき、結構勇気いりました。ちょっと勇気出して、自分らしく生きられるように自分の周りを変えるっていうのがすごい大事ですよね。もちろん置かれてる環境の中で、妥協や我慢も必要なんですが、その中で納得できる妥協点を見つけて生きていきたいですね。
受け入れられないと思うと怖いですが、周りの人は敵じゃないし、自分のマイノリティも言ってしまえば個性でしかないです。特別なことではないんですよ。生き辛さを感じることはあるけど、その中で模索してくことが大事ですよね。
ゆなさん 周りの人は本人が思ってるほど、自分のこと気にしてないからね。1人でも2人でも理解者を増やしていけたらその人にとっていいんじゃないかな。
~ありがとうございました。
最後までお読みいただきありがとうございました。取材を通して、自然体なゆなさんがより好きになれました。お読みいただき何か感じて頂ければ嬉しいです。次回の記事をお楽しみに~✨