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モブが故に、花の一本すら手向け出来ないもどかしさ。

寒い冬にユキヒロさんが亡くなり、季節は移ろいで、東京の桜が満開になった頃、今度は坂本教授が逝ってしまった。

ただ、何となくではあるが、この日は近いような気はしていた。
坂本くん、ユキヒロさんとホントに仲が良かったから(笑)
坂本くんはアカデミー賞なんぞ受賞されて、一段上の世界に活躍の場を移されてしまったから、大衆音楽の中に身を投じたユキヒロさんとは、なかなか一緒にお仕事する時間もなかっただろうけど、それでも細野さんとのユニット、SKETCH SHOWに潜り込むことにまんまと成功したのだ!!

やはり「戦友」(盟友の上位互換っぽくw)って、それこそ魂の結び付きが比べ物にならないほど強いと思う(YMO全盛期、あれはほぼ戦争と同じ環境だったかと……)

坂本くんの偉大さを語るのは他の方におまかせするとして。

最近の風潮でもある「葬儀は近親者のみで行いました」が、ご本人の強い意志もあるとは言え、頭で分かっていても心で納得できない自分がいるのも確かだ。
ここ数年はコロナもあったし、つい最近、鮎川誠氏のロック葬でも、突然の斎場変更などひと悶着あったのも知っている。

ただヘラヘラと呑気に遊び呆けていたその日に大事な人が旅立っていたんだ、と言う悔しさ。
花の一本でも手向け、御礼を言うことも出来ないのかという悲しさ。
自分の家の仏壇でやればいいのかも知れないが、仏壇には関係ない爺ちゃん婆ちゃんいるしなぁ(笑)

子供の頃YMOを聴きまくり、大人になったらこの人達のような素敵なミュージシャンになるんだ!と誓った、自分という人間の一部を形成したと言っても過言でない二人を見送ることすら叶わなかった己が情けなくてならない。

それを思うともう一人のゴッド、忌野清志郎さんの、青山ロックンロールショーは凄かったなぁ……!駆けつけた4万人のファンに分け隔てなくサヨナラを言わせてくれたキヨシロー、やっぱり愛してるぜ、今でもずっと!!
良いとか悪いとかではなく、これも時代の流れなのかな。

今頃きっと天国の入口でユキヒロくんが人懐こい笑顔を浮かべながら「ちょっとー、来るの早いんじゃないの、教授?」って迎えてくれているんでしょう。
教授も「なんかね、仕事やってもやってもきりがないからさ、もういいかなって」とか、屁理屈言ってフニャッと照れたように笑い返してるんだ。

坂本教授、この世に沢山の素敵な音楽を残してくれてありがとうございました。

どうぞ安らかに。

※写真は家宝:YMO武道館コンサートのパンフレットの1ページです。

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