初心者がおっかなびっくり、身の丈にあった資産運用を模索してきた話
突然ですが、皆さんは「資産運用」という言葉に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
例えば、「めっちゃ稼げるけれど、大損することもあるハイリスクなもの」のような・・・漠然と「富裕層向け」「ギャンブル」のようなイメージがある人もいるのではないでしょうか。
実際、社会人になりたての頃の私が持っていたイメージは、そんな感じでした。そして、そのようなイメージがあるにも関わらず、なぜか、「いざとなれば自分にもできるはずだ!」と思っていました。やったことがないにも関わらず・・・。
アラサーになったある時、自分の貯金額が思ったよりも少ないことに気づき、自分の将来について少しの危機感を覚えるようになりました。それがきっかけで、自分でもできそうな範囲で「資産を増やす方法」を色々と模索したり、試すようになっていきました。
実際に始めてみると、初心者の自分にもできることがたくさんあることが分かりました。そして、当時は分からなかった「運用することの楽しさ・やりがい」を知ることになりました。
この記事では、人生に必要な「お金」について無頓着に生きてきた人間が、おっかなびっくり、身の丈にあった資産運用を模索してきた過程について、できるだけ具体的にお伝えしていきます。
記事を通じて、初心者の人でも資産運用について「できるところからやってみよう」と思ってもらえたら幸いです。
初心者にあると良い心構え
まず初めに、資産運用を始めるときに、「これは大切だ!」と思ったところを4つまとめてみました。これらを前提として持っておくと、実際に運用するとなった時に、少しだけ気楽に構えることができると思います。
1.「負け」込みで、プラスになれば良い
私は資産運用でめっちゃ稼いでいるかというと、全くそんなことはなく、今でもかなりの初心者です。投資信託はコツコツ積み立てていますが、日本株の取引で稼いだ額はお年玉程度しか実績がありません。なかなか利益が上がらず、しばらく様子見している銘柄もいくつかあります。
でも、たぶんそんな感じでいいんです。
株においては、トータルでプラスになっていればOK、「損小利大」という考え方があるそうです。この考え方に則ると「どこかで負けがあっても当たり前」と思えるので、冷静でいることができます。
市場は上げ下げを繰り返すものなので、誰にとっても「負けなし」という状況はあり得ない、と思っておくと気が楽になります。
2.身の丈を知る
「負け」を想定するからには、「負けても大丈夫」なお金のみを使いましょう。資産運用のために生活費を使ったり何か資金を切り崩すなどをすると、冷静な判断ができなくなってしまいます。
3.長い期間を見すえて運用する
これは積み立て型の投資信託などによく言われます。今30歳だとしたら、60歳になるまでの30年を運用期間する、というようなイメージです。
資産運用を「目先の収入を増やしたい」のような目的で始めてしまうと、日々の小さな上がり下がりが気になり、うまくいきません。
例えば、私もコロナの時には投資信託の評価額が一時的に暴落しましたが、今ではプラス20%〜30%を維持できています。
4.「自分が今、何をやろうとしているのか?」正しく理解した上で取引をする
初心者にとって、証券会社のwebサイトは数字と専門用語だらけ。つまり分からないことだらけです。一方で、初心者でもちゃんと取引ができるように配慮はされていて、よく見ると解説がついていたり、ちゃんと調べれば詳細を教えてくれる記事が出てきます。「分からないことは積極的に自分で調べること」はとても大事です。
しっかり調べながら取引をすることで、知識が自然と身につきます。
初心者がよく分からないままに「思い切りが大事!」と、妙な度胸を発揮して取引を開始するのはかなり危険です。
さて、4つの心構えを挙げてみましたが・・・結局は「一時の感情に流されない」ということがとても重要だと感じます。何だか恋愛と似ていますね。
実際にやったこと
次に、実際に自分の資産を増やすために、私がとった行動を時系列でまとめてみました。
1:定期預金の検討、そして断念
ノーリスクな方法だと思い、最初に検討したものの・・・いざ調べてみると、現代における「定期預金」の金利はゼロに等しいということが分かり、新しく口座を作る手間を考えるとマイナスだと思ったので、断念しました。
2:証券会社の口座を開設
とりあえず、つみたてNISAや株の取引ができる状態にしたいと思ったため、証券会社の口座開設をすることに。
しかし、各社ごとに特色や、取り扱っている銘柄・手数料が異なるため、一体どれが良いのか・・・私の場合、自分では悩んでしまって決められないと思ったため、職場の人が以前オススメしていたところで開設することにしました。
口座開設に必要な資料が届くと、色々な書類が必要なことが分かり、一気に億劫な気持ちに。実際、私は資料を取り寄せてから、口座を開設するまで半年ほど期間が空いてしまいました。まずは「取引できる状態にする」ことがスタートラインになので、頑張る価値はあります!頑張りましょう。
最近は、スマホから少額で投資ができるサービスなどもあります。手軽そうなので、LINEのサービスは今からでも使ってみたいです。
その3:ロボアドバイザーの口座を開設
ようやく証券会社に書類を提出し、つみたてNISAや株式取引の口座をひと通り開設!しかし、どの銘柄をどのように買えば良いのか全く分からず、再び億劫な気持ちが再燃し・・・しばらく放置してしまいます。
そんな中、AIが資産運用してくれるという「ロボアドバイザー」というサービスがあることを知り、「私がやるよりも、AIの方が絶対に頭がいいはずだ!」と思い、新たに口座開設をすることに。
不思議と、この時の書類提出はそこまで億劫ではなく、難なく開設することができました。自分がいかに、「銘柄を自分で選んで買う」ということに対して心理的負担を感じていたのかが分かります。当時はまだ「誰かがやってくれたらいいのに」という気持ちでいっぱいでした。
ロボアドバイザーは「THEO」と「WealthNavi」の2社で運用を開始。
いずれも、最初にどのような運用が良いかをアンケート方式で答え、その後はおまかせ運用(放置でOK!)なのでかなり楽でした。いきなりたくさん預けるのは怖かったので、それぞれ毎月1万円ずつを積み立てています。
今見たら、THEOはプラス25%ほど、WealthNaviはプラス35%ほどの利益がで出ており、かなり好調です。
その4:つみたてNISAを開始
ロボアドバイザーによる運用が順調に進んでいくと、グラフを見るのが楽しくなってきて、「何か自分でも買ってみたい」という気持ちが徐々に湧いてきました。
そこで、ずっとできていなかった「つみたてNISA」の積み立て設定を検討することに。色々見てみたものの、どれが良いのかいまいち分からなかったので、ひとまず海外のもの、国内のものをバランスよく3つ選びました。これらについてはあまり深く考えずに、それぞれ少額で設定しています。つみたてNISAはかなりの少額から積み立て設定ができるので、気軽に設定ができました。
その5:初めて株を買う
つみたてNISAでは、商品の内容がよく分からなかったこともあり、今度は「自分で株を選んで購入してみたい!」と思うようになりました。
とにかく何か1つ買ってみよう!と思い、セガサミーホールディングスの株を100株購入することに決めました。選んだ理由としては、自分が「SEGAのゲームセンターが好き」だったこと、「これからもリアルのゲームセンターを応援したい」という気持ちが強かったことなどです。
「指値」「成行」「逆指値」?
購入画面に進むと、売買価格の設定について知らない単語が出てきました。調べてみると、「指値」は自分の売買したい価格で株式を購入すること、「成行」はその時の価格で購入すること、逆指値・・・はひとまず使わなくても良さそうなことが分かりました(※その時で判断するのが良いと思います)。
SOR指定?
市場のところでも知らない単語が出てきました。
調べてみたところ、「有利な株価で取引できるように自動で調整してくれる」機能だということは分かったのですが・・・欲しい価格とズレてしまうデメリットもあるようだったので、混乱しないためにも、ひとまずチェックを外すことにしました(※その時で判断するのが良いと思います)。
これで注文成立・・・と思って翌日のポートフォリオを見てみると、指定した価格まで株価が下がらなかったため、取引が成立していませんでした。再度、今度は成行注文に切り替えて再注文し、無事に取引が成立。
ようやく、初めて自分で株を買うことができました。
その6:初めて株を売る
セガサミーホールディングスの株は、一時期マイナスになったものの、少しずつ利益が出てくるようになり、毎日ワクワクしながら価格をチェックするようになりました。
しかし、数ヶ月経ったある日、セガサミーがゲームセンター運営から撤退するというニュースを知ることに。
自分なりの軸でもあった「リアルのゲームセンターを応援したい」という気持ちに反する流れとなったため、泣く泣く株を手放すことに。
株を売るときも、買う時と同じで、価格の決め方やSOR指定の有無が選べるようだったので、流れに身を任せる形で成行注文にした結果、1万円ちょっとほどの利益が出る形で取引が成立。
これが、生まれて初めて自分で買った株で得られた儲けとなりました。
その7:米国の株も買えるらしい・・・けれど、ドルの預金がない!
その後、米国株は1株から買えることや、期待値が高くて面白い企業が多いことなどを身近な上司の人から教えてもらう機会があり、米国株に興味が沸くようになりました。
とりあえず、外国株式のページへ飛んでみると、基本的な画面の見方や取引の方法は変わらないものの、買い付け余力が0になっています。米国の株式なので、ドルでしか買えないようです。
「あれ、でも・・・ドルって、外国為替のこととかが影響するんじゃ?」
途端に億劫な気持ちが湧き上がってきます。
それでも、米国株を買ってみたい気持ちが強かったので、調べてみたところ、ドルで投資信託をする「米ドル建MMF」を使えば米国株式の買付もできるようになる、ということが分かりました(※証券会社のサービス内容によって異なるかもしれません)。
投資信託なら積み立てで少しずつ資金を作れるので、自分で外貨預金を入れるよりも気が楽に思えました。いきなり高額を入れるのは怖いので、こちらも月に1万円ずつ積み立ててみることに。少しずつ残高が増えたら、何か1つ、米国株の銘柄を買ってみようと思います。
まとめ:分からないなりにやってみると、分かるようになる
以上が、私がこれまでやってきた、資産運用の内容です。
ここまで足掛け5年ほどかかって、全くの初心者から、牛歩のごとくできることを増やしていきました。
やってみて一番良かったことは、資産運用について「なんだか面白い」と思えるようになったことです。いろいろ試すうち、自然と毎日の値動きをチェックするようになり、なんとなくでも"市場のこと"に興味が持てるようになりました。周りの人からそうした話を聞く機会も増えたように思います。
少額でもいいから、自分のお金を市場に投じてみれば、毎日の意識に新鮮な変化が生まれると思います。
自分にできそうな範囲から、「資産運用」始めてみてはいかがでしょうか。
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