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【感想】リーディングミュージアム ~東京国立博物館~『東京方舟博覧記』 2024/10/27配信

リーディングミュージアム ~東京国立博物館~『東京方舟博覧記』
10月27日の配信を見ました。

ディレイ配信もあるようなので、気になった方はぜひご覧になってください。(10/25(金) 20:00~11/3(日) 23:59まで)



作品概要


作品名:リーディングミュージアム ~東京国立博物館~『東京方舟博覧記』
会場:東京国立博物館 本館エントランス前 (屋外)
期間:2024年10月25日~27日
脚本:Spacenoid Writers’ Room
   白川ユキ(ミュージカル『刀剣乱舞』鶴丸国永 大倶利伽羅 双騎出陣 ~春風桃李巵~(共同脚本)ほか)
   月森葵(舞台「地獄楽 -終の章-」(共同脚本)ほか)
演出:田邊俊喜
音楽:佐々木久夫(SeanNorth)

出演者


ハニワ/大久保利通/友人役
北村諒(最遊記歌劇伝-外伝- / 哪吒太子 役など)

藤堂高虎 役
黒羽麻璃央(ミュージカル『刀剣乱舞』/ 三日月宗近 役など)

町田久成 役
松田凌(舞台『刀剣乱舞』/ 加州清光 役など)

彰義隊 青年 役
佐藤流司(ミュージカル『刀剣乱舞』/ 加州清光 役など)

天海大僧正 役
三浦涼介(舞台「呪術廻戦」/ 五条悟 役など)

あらすじ


江戸が東京へと変わった、明治はじめの頃の話。
旧薩摩藩士、のちの初代博物館館長・町田久成は、上野の山で彰義隊士の幽霊と出会う。
互いの素性を知らぬ間に、うっかり仲良くなる二人。
そんな二人を巻き込んで、博物館建設を巡り一騒動が巻き起こる。
これは、上野の山に博物館が建つまでの、ちょいとした与太噺。

https://reading-museum.jp/hakuranki/


感想(※ネタバレあり)


「東京博物館、ちょっと行ってみたいかも。」
観劇後、そんなふうに思わせてくれる朗読劇でした。

北村諒さん演じるハニワによって、物語は語られ始めます。
(なお、2024年10月16日(水) ~ 2024年12月8日(日)まで、東京国立博物館では、挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」が開催されています)
舞台である東京国立博物館がある「上野の山」では不思議なことが起こるというのです。時空が歪んでいるようだ、とハニワは語ります。そういう場所に博物館は建っている、とも。それから、どうして上野の山に博物館が建てられたのかが語らていくわけですが、ここで好きな台詞が飛び出します。

『爺さんというのはな、嘘と本当を織り交ぜて昔話をするのが好きなんじゃ』

大変お恥ずかしい話ですが、この朗読劇を見るまで、私は「トーハク」「東京国立博物館」というものの存在は知っていても、「どこに」「どのようにして」建っているのかを全く知りませんでした。上野にあるんですね。
幼い頃に一度だけ上野動物園に連れて行ってもらったことを思い出しました。

・・・あの頃にもあったのかな、博物館。
そりゃあるよな、創立150年だもん。

ハニワ爺さんに語ってもらったおかげで、ひとつ賢くなりました。

この話は真面目な歴史物でもなんでもない、おとぎ話や伝承というわけでもない、あえていうなら、そう。この上野の山に博物館ができるまでのちょいとした与太話じゃ

時代は江戸から東京へ変わっていった、明治はじめの頃。
後に東京国立博物館の館長となる町田久成は、ひとり酔っ払って上野の山を訪れます。その時、彰義隊の幽霊である青年と出会うのですが、青年は上野の山を守る役割を果たすため、久成を斬ろうと刀を抜きます。すると、その刀を見た久成の目が輝き「四谷正宗かい!」と声をあげました。これに驚きつつも誇らしげな青年は「あんた目利きだな」と言葉をかわし、2人はお互いの素性を何も知らないまま、ただ好きなものを同じ熱量で語ることのできる者、同好の士として親交を深めていきます。私も観劇の同士が欲しいです…(よろしければスキやフォローお願いしますね)

「この国の文化を詰め込み未来へと渡す方舟」
久成と青年の間で交わされたアイデアは、どんどん現実になっていきます。

『”良いもの”は未来へと受け継がれなくてはならない』

そう言って開催に漕ぎ着けたのが、湯島聖堂大成殿で開催された博覧会。これが東京国立博物館の歴史の始まりだそうです。それから博物館建立の話へと進む訳ですが、とんとん拍子に事が進むかと思いきや、博物館の建てる場所――上野の山には問題がありました。

江戸時代、徳川家康に仕えていた2人の幽霊が登場します。上野の山もとい東叡山に寛永寺を開いた天海大僧正、そして藤堂高虎です。
天海は江戸を忘れさせないため、3種の神器を揃え、蘇らせようとしていたのでした。天海、高虎は3種の神器のうち降魔の剣を探していました。
降魔の剣を巡って4人の間ですったもんだあった後、天海の口から上野の山が「どういう場所であるか」「青年の正体」が語られます。

もうここまでで、情報量が…!情報量が多い…!!となってはいたのですが、歴史背景などもしっかりと語られていくので、歴史に詳しくない私でもよくわかりました。下記は、深く知りたいと思った語られた出来事たち。

  • 廃仏毀釈

  • 彰義隊の話

  • 寛永寺建立、江戸の結界の話

  • 壬申検査

  • 日本初の公園

  • 東京国立博物館の歴史

  • 町田久成の生涯

  • 木村屋の歴史

天海から語られた話を聞いてなお、久成は『ここに博物館を建てます』と宣言します。江戸を忘れてしまう、不要なものだと天海は語ります。忘れさせない、この国の文化を思いを未来へ届ける方舟を作りたいと久成は反論します。その言葉を聞いて、天海は上野の山の保全と、博物館をすべての民にひらくことを約束してくれと久成に投げかけます。

そうして10年の歳月が経ち、日本初の公園ができ、博物館が完成。
天海大僧正と藤堂高虎が博物館を久方ぶりに訪れてきます。天海大僧正の「私達も入ってよろしいのですか」という問い掛けに久成は笑顔で答えます。

『生者も死者も関係なくすべての民にひらかれています』
『博物館へようこそ』

歴史物でも、おとぎ話や伝承というわけでもない、ちょっとした与太話は、これでおしまい。

天海大僧正の過去になりゆく、忘れ去られていく、白紙になる、という切なく悲しい感情を秘めた朗読をしてくださった三浦涼介さんがすごかったな、という小並感な感想。あと北村諒さんのお爺さんが好きです。

アフタートーク(※ネタバレあり)


・佐藤流司さん、雨天候なのに「晴れてよかったな」発言
・松田凌さん、佐藤流司さんとの掛け合い台詞を言い間違えたことに言及し、配信見てねと自らの首を締めていくスタイル
・佐藤流司さんと松田凌さんは稽古場で揃わず。ゲネプロで全員揃った。
・北村諒さん、劇中、佐藤流司さんに地面に台本を置かれたことに言及し「あんなびっしょびしょの場所に台本置かれることあるぅ?!」「それより驚いたのが、俺の台本より流司の台本がびっしょびしょだった」
・黒羽麻璃央さん、稽古場のケータリングが「フルーツと野菜たっぷりだった」
・松田凌さん、ムーンウォーク等ダンスを披露すると雨脚が強くなる

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