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賢者の言葉46 「愛する世界を創り続ける」という幸せ

小学生のときだったか、
当時、毎週のように愛読していた「少年ジャンプ」に
初めて『Dr.スランプ』が連載されたときのことを
なんとなく覚えています。

この漫画、私はストーリーより
「世界観」のようなものが好きになり、
とくに大好きだったのが、
鳥山明さんの描く「車」です。

ポスターなどにも、
なぜか車が登場する風景が多いから、
壁にもずっと貼ってあった気がする。

思えば私が乗っている車は、
車体の丸っこいものが多いのですが、
かなり影響を受けているんじゃないだろうか。

こんな景色の中で、
のんびり車を運転できたらいいなあ……。

たぶん鳥山先生の絵には、
自分が「そうあってほしい」という願望とか、
対象に対する愛情が凝縮されていたのでしょうね。

「一時、車が欲しくて、
その車を何百枚も絵にして描いて、
こんな色にしたら可愛いとか。
奥さん飽きれてましたけど」

これが鳥山先生の言葉。

愛情が込められているからこそ、
世界中の人がその絵を愛し、
キャラを心から大切にした。

68歳という人生は本当に残念ですが、
アラレちゃんやドラゴンボール、
あるいはドラクエで育った世代としては、
本当に感謝しかありません。

そんなふうに自分も、自分が作るもの対して
常に愛情深くありたいですよね。

ドラクエのクリエーター、堀井雄二さんが、
登場する「スライム」について、
述べたコメントがあります。

このスライムって、
今でこそ鳥山デザインが当たり前ですが、
本来は人間を取り込んで体内で溶かしてしまう、
かなり恐ろしい化け物です。

だから鳥山先生が描くまでは、
「人喰いアメーバ」のような姿でしか
描かれませんでした。

でも、そんなものは描きたくない。
あくまで「自分の描きたいものを描く」という
愛情を込めた結果、
スライムは完全なマスコットキャラに
生まれ変わってしまったわけです。

今は「怖いモンスター」と認識している人のほうが
少ないのではないか。

この認識は、何年経っても変わらないのでしょう。
人生は短く終わっても、その人は創り上げた世界は、
忘れない限り永続する。
私たちはこれからも、鳥山明さんが創作した世界を
愛し続けるのでしょうね。

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