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歴史入門16 優れたリーダーに欠かせないもの

画像の人物は最近、
プーチン氏が「自分になぞらえた」ということで
話題になっています。
17世紀〜18世紀に皇帝となり、
ロシアを強国に押し上げた人物。
ピヨートル1世(大帝)、という人ですね。

世界史でこの皇帝のことは学んだ気がする。
一体どんな人物だったっけか?

ピヨートルは、北ではスウェーデンを破り、
南ではトルコを破り、
ロシアの領土を拡大した王様。
まあ、圧倒的な力で侵略しに行ったウクライナに
苦戦している大統領としては、
自身を強い皇帝になぞらえたいのでしょう。

ただ、重要なことを忘れています。
ピヨートルさんというのは、単なる侵略者ではありません。

じつは当時のロシア、後の日本と同様で
ヨーロッパ諸国に対しては後進国だったわけです。
北の田舎の、野蛮な国と思われていた。
実際、ルネサンス以後、産業革命も起こり始めている
ヨーロッパとは、文化的な格差もあります。

だから先進国をリスペクトし、
自ら各国に出向いて学びに行ったのが
ピヨートル皇帝のすごいところだったわけです。

有名な話は、造船の技術を学ぶため、
オランダ東インド会社の工場に就職し、
「船大工として働いた」ということです。
つまり、皇帝が鑿を持って労働者となり、
ガテン系の仕事に挑んだんですね。

結構、皇帝はこの仕事に馴染んだそうですが、
国に戻ったら海軍を創設し、
自ら船団を率いて戦ったそうです。

さらにヨーロッパ留学中には、
「研修医」としても働いたことがあります。
これもロシアの医療を改革するためですが、
なんでも歯科医の仕事に快感を覚えるようになって、
国に帰ったら、部下たちの虫歯を抜きまくったとか。
麻酔なしで……。
それでロシア皇帝は恐怖の代名詞になったとか(苦笑)

西洋諸国に学び、
ロシア風の髭を皆に切らせ、
女性を虐げる制度も改革します。

敬虔なキリスト教徒となり、騎士道を実践し、
敵国のリーダーにも敬意を表した。
それでも広いロシアはなかなか思うように
西洋化しなかったのですが、
そんなふうに学びの意識を高くもっていたのが
ロシアの改革者といわれた王だったんですね。

本当にその姿は、世界のルールを破り続け、
各国の声に耳も傾けない大統領と
一致するのだろうか?

せっかくの偉業が台無しになるのでは、
皇帝もあの世で嘆いているのではないかな……。

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