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賢者の言葉17 心頭滅却すれば……

近くのお寺(天現寺)に寄れば、
このおなじみの言葉です。

「心頭滅却すれば火も自ら涼し」

「火もまた……」と読むのは間違いだそうですが、
「暑さに同化してしまおう」という発想。
それでクーラーを止めてはいけませんが
心構えとしては、そうありたいかもですね。

そもそもこの言葉、
誰の言葉だかご存知でしょうか?

元は禅の「公案」なのだそうですが、
日本でこの言葉を有名にしたのは
臨済宗の僧侶であっ
「快川紹喜(かいせんじょうき)」という方です。

快川紹喜はもともと美濃にいたのですが、
武田信玄に招かれて、
甲斐の「恵林寺」に入寺しました。

信玄の死に際しては、
その葬儀も執り行っているんですね。

信玄亡きあとは、
息子の勝頼と親しくした快川さん。
ですが勝頼は、織田信長に滅ぼされます。

そのとき武田の残党たちを保護するのですが、
これで織田の怒りを買ってしまいます。
服従しなかった恵林寺は、
火を放たれて、燃やされてしまうことになりました。

そして快川さんは仲間たちとお寺に残り、
最後まで抗議して、焼死したとされます。
そのとき辞世の句として残したのが、
「心頭滅却すれば火も自ら涼し」
だったんですね。

言葉はそのまま、業火の中で心情を述べたもの。
彼に比べたら、所詮は気温の暑さなんてね……。

熱中症対策をしながら
なんとか心だけは、
平静を保つようにしましょう!

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