
本の紹介42 渋沢栄一の最期のとき
「どんな事業を興すに当たっても、
またどんな事業に関連するときでも、
利益本意には考えない。
この事業こそは起こさねばならない、
この事業こそは盛んにしなければならない。
そう思って決めたとき、
これに関与し、株を所有すればいいのだ」
こちら何度かブログでは紹介しています。
今は1万円札の顔、
渋沢栄一さんの言葉ですね。
2018年に私が書いた本、
『Words of Wisdom〜君はこの言葉を知っているか?』
で紹介したものです。
11月11日は、その渋沢さんの
ご命日だったそうです。
亡くなったのは1931年のこと。
91歳までの長い人生を、渋沢さんは享受しています。
(夏川賀央の公式ブログ:https://www.kenjabook.com/)
でも、長い人生をほぼ現役、
「利益本意には考えない」という姿勢で
取り組んできたのが渋沢さんの人生。
その最期の仕事が、
井上裕之先生の『一流の死に方』という本で
紹介されています。
それは渋沢さんが89歳のとき。
彼は病に臥し、
自宅で療養していたといいます。
時は1929年、世界大恐慌が始まり、
日本でも多くの失業者や
貧困者が出てきていました。
ところが軍国主義に走っていた政府は、
中国進出にばかり熱心で、
国内の福祉政策に関心がありません。
そこで「影響力のある渋沢に
救済事業の先頭に立ち、
政府を動かしてほしい」という
要望が起こったんですね。
「この老いぼれが平素養生しているのは、
せめてこういうときの役に立ちたいからだ」
医師の忠告を振り切り、
彼は快く、依頼を引き受けます。
渋沢栄一が亡くなったのは、
その2年後だったんですね。
それだけの務めを果たせたのは、
むしろ幸せだったのかもしれません。
最後まで自分の使命を貫けるような生き方、
別に渋沢さんのように
大きなことでなくていいのですが、
できる限りは実践していきたいものです。