賢者の言葉42 梅の中にある「世界」
東京は比較的、暖かい1月が続いているからか、
近くのお寺に寄ったら、
もう綺麗に咲き誇っていましたね。
これ「梅」ですよね。
木の下にだけ春が来たような雰囲気になっています。
お寺と梅……。
関連はあるのかと調べると、
有名な道元さんの『正法眼蔵』の中に
「梅の華」という巻があるそうです。
ちなみに道元さんは、禅宗である曹洞宗の開祖で、
こちらのお寺は、確か日蓮宗。
直接の関連はないのでしょうが、
「梅の華」の教え、なかなか難しいけれど
興味深いものです。
たとえば冬の寒い雪景色の中、
梅の木に一輪の花が咲いている。
このとき私たちが「雪景色」のほうに注目すると、
「花が一輪あるほかは、
雪だけの寒い世界がそこにある」
という解釈になってしまう。
ところが梅のほうにスポットを当てると、
「こんなに寒い世界なのに、
ほら、あそこだけ春の温もりがあるよ」と。
世界の様相は、全く変わってしまうわけです。
ようは私たちの見方次第で、
世の中の状態はいくらでも変化するんだ
……という教えですね。
「春の功徳はすべて梅のなかに詰まっている」
春が来るから、私たちは「梅が咲いた」といって
喜ぶのではない。
本当は「梅が咲いた」ことにより、
私たちは春の到来を感じて、喜んでいるんだと。
だから、喜ぶタイミングはいつだっていいし、
何を持って喜ぶかも、私たちが決めていいんだと。
よく言う「コップに半分残った水」を見て、
「まだ半分もある!」と考えるか、
「もう半分しかない!」と考えるかによって
世界は変わってくる。
それと同じようなことが言えそうです。
災害で始まった今年、
いきなり激動の1年になりそうな予感が
すでに見えています。
でも、そんな1年を変革の年と見るか、
厳しい1年とみるか?
すべては私たちの解釈次第なのでしょう。
いろんなピンチを、新しいチャンスにつなげたい。
悩んだときは、
この梅の木を思い出してみましょう!