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歴史入門20 「教育勅語」って何だろう?

10月30日は、
かつて「教育勅語」が発布された日だそうです。
明治時代の1890年のこと。
今から132年も前の話ですね。

この「教育勅語」が何かといえば、
学校で身につけるべき「道徳」について
天皇が語る形で目標を示したもの。

要するにこれが日本における
「教育方針」ということだったんですね。

かつては皆が暗唱させられたそうですが、
今は文面すら習いません。
「軍国主義につながるもの」として、
アメリカの占領下にあったとき
GHQが廃止したわけですね。

確かに明治天皇が語る内容には、
「国家の危機には勇気を捧げること」
なんていう文面も入っています。

ただ、その前には人格形成の目的として、
・親孝行であること
・家族が仲良くあること
・友人同士が信頼すること
・周囲の人に慈愛を示すこと
・学問を修め、自分を高めていくこと
・人のためになる仕事をすること
などなど。
さまざまな要素も含まれているわけです。
これ自体は重要な要素ですよね。

そもそも教育勅語の冒頭は、
「私たちの国は、ご先祖さんたちの努力と
国民たちの忠臣によって、
長く美風を維持してきた。
その伝統を維持していくことに教育の真髄がある」
といった内容で始まります。

そして最後は、
「この勅語の目的は、
『天皇である私のために尽くせ』というのでなく。
正しい国を作るために、
『一緒に頑張っていきましょう』ということです」
という感じ。

確かに教育の目的は
「個々人の幸福のため」が第一であり、
私たちは誰かのためである、
自分自身のために「権利」として
教育を受けているのだ……という視点は欠けています。

ただ、「みんなのため」とか、
「国の伝統」というアイデンティティを失った結果、
日本人の教育は、
日本人が信じてきた「神話」や
過去の文学作品すら学ばないような、
実利教育ばかりに傾いてしまいました。

その結果、うまくいったかといえば、
現在は東大ですら
中国やシンガポールの大学に世界レベルで勝てないような
悲惨な状況に陥っているわけです。

本当な「教育勅語」に変わるような目標が、
私たちには必要だったのかもしれませんね。

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