【本紹介】多種共存の森 1000年続く森と林業の恵み / 清和研二
こんにちは。
今日は最近読んだ本の中で最も感銘を受けた本を紹介します。
『多種共存の森 1000年続く森と林業の営み』
この本は、清和研二さんという東北大学大学院農学研究科教授によって2013年に書かれた本だそうです。
この本の特徴は、科学的な視点から森林生態学を解説しているパート(ハード面)から、人と森林とのかかわり方(ソフト面)まで幅広い内容を扱っていることだと思います。
森林についてほとんど何も知らない私でも理解できるようなわかりやすい解説であるにも関わらず、科学的な根拠は明確で、著者の大学院での講義は非常にわかりやすいものなのだろうなと容易に想像できました。
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本の中では、現在の林業における様々な問題点に触れており、それには私もやりきれない気持ちになりました。しかし、伊勢神宮の「神域の森林」の例などの「希望」も紹介されていました。
伊勢神宮公式サイトより引用
このような例は、林業に直接かかわりのない私がこれからどのような考え方をしていけばよいのかを教えてくれたように思います。
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私が何より好きだったのは、著者の優しい語り口です。
森林だけでなく自然全体に感謝する姿勢、リスペクト…
というよりは自然と共存する著者の生きざまのようなものが伝わってきて、とても温かい気持ちになりました。
「自然の再生サイクルを組み込んだ社会」
つまり、優しい社会を目指すうえで大切な精神性のようなものを、改めて教えていただきました。
おすすめです。