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医局やめたい?勤務医の苦悩、もう答は出ている。

40台の女医なつ🌱です。
こんにちは。

先日、Xで下記ポストを拝見しました。

今回はこの記事について思ったことをツラツラと。


外科の先生の激務

このポストをされた限界外科医先生、ポストを遡ると毎日懸命に働き研鑽されている様子と、日々の医師労働に疲労している様子が伺えます。

消化器外科って本当に大変ですよね。
最近外科医の働き方の過酷さのポストもよく見ますね。

私も研修医の時いろんな科を回って、心外、脳外、消化器外科は、体力がなくて絶対無理!!死ぬ!!って思いました。

まだ「直明け帰れる」時代じゃなかったんで、心外で1日手術に入って術後ICUベッドサイドで、しゃがんで患者のウロバッグを見つめながら寝てしまったり、

脳外科ではNIHSスコアを一晩中取り続けたり適応があったら飛んでMRI室に行ったり、(マジで飛ぶように走っていたよ。あの頃いた病院は脳卒中科がまだなかったんだよね、、、。)

消化器外科では回診→内視鏡→手術→回診で仕事終わりの午前1時の缶コーヒーが日課となっていたり、、(自販機屋外だった、冬だったし身に染みた。)

しかし1番恐ろしかったのは、
どの科のオーベン(指導医)も
研修医より確実に労働時間が長かったこと

私が尿見ながら目を閉じてしまっても、後ろのナースステーションでカルテ指示出してたし、MRIに飛んで走った時も一緒に走ってた。研修医がフラフラしてる後ろでオペ記事も書いてるしね。

手術も外来も、書類仕事もムンテラも、
1日中働いて、マジでこの体力お化けたちどうなってるんや、、、
って研修医ながら思っていた。

いや今でも思っている。

そんな外科の中でも激務TOP3(私が思う…)に入る消化器外科で働いていたら、労働環境や同僚によってさらに劣悪な環境になると、いくら外科を志す体力のある医師でも心が折れてしまうことが容易に想像つきます。

ただ、もう一度限界外科医先生のポスト見てみると、、

「医局辞めなきゃよかった」
「今すぐ医局に戻りたい」
という先生はあまり見た事がない。
つまりそういう事なのか。

つまりそういう事?
医局を辞めた方が良いってこと?


そういうことではないと思う。


正しくいうと、
万人に「そういうことではない」と思う。

「医局辞めてよかった」という先生は、「医局辞めたから」というより、自分にとってのリスクベネフィット鑑みて「悩んだ末に今後の未来を自己決定した」から「医局をやめてよかった」と思えるんじゃないかと思う。

また、誰しも自分の選択して歩んできた道を、わざわざ後悔していると他者に言い回る人は少ない。努力して懸命に仕事してきた人ほど、自分が歩んできた道を否定したくない。

だから、上記のポストの先生方の返答には選択支持バイアスがかかっている。このバイアスがかかるのは人として当然だし、自分の歩んできた道、過去の努力してきた自分を肯定できた方が、幸福度が高い生き方だろう。その方が良い。

ということは、医局を辞めていない、現在在籍している先生方だって、選択支持バイアスがかかるわけだから、真剣に聞いてみれば、多くは「医局継続して今のところ後悔していない。」と答えるだろう。

皆それぞれの立場があり、その場で考えて立っているのだ。

もし「早く辞めておけばよかったよ。」と飲み会で話す先生がいても、本音じゃないことが多い。

結婚している先生に、「結婚っていいもんですか?っ」て聞くと、「いやー大変だよ、よく考えて相手選びなよ?」って返ってくるのと同じ。

現状本当は奥さん大好きで、幸せな結婚家族生活に満足していても、照れ臭くて「そんなに悪くない、いや、良いもんだよ。」って、職場での相手に本音を言う人も少ない。特に日本人は。

私は医局辞めて満足した1人だけど、私にも選択支持バイアスがかかっていると思う。過去の頑張った自分がいるから今があるわけだし、過去の自分のためにも今幸せでいないとな、とも思っている。

というわけで、自分は医局辞めない方が良い先生ももちろんいると思う。

だから、

「医局辞めなきゃよかった」
「今すぐ医局に戻りたい」
という先生はあまり見た事がない。
つまりそういう事なのか。

上のポストで、聞いた人皆が
言ってるからと言って
「そういう事なのか。」とは思わない。

もう答えは出ていることが多い。

限界外科先生、ご本人もそうだと思うのですが、このポストに激しく共感をされる方は、もう自分の中で答えが出ている方ですよね。

医局を辞める、医局と距離を置く、今の働き方をこの先変える、という希望は決めていて、いつどのタイミング状況で上長に伝えるか行動に移すか考えている方ですよね。遅かれ早かれ、医局から離れる、または今の職場からは離れるのではないでしょうか。

自分の中では答えは出ていて、今の環境が自分の居場所ではない離れた方が良いと確信はあるものの、誰かに背中を押してほしい、自分の答えが正しいと確かめたい段階ですよね。

私も医局と常勤医を辞める前、そういう段階があったので、とても気持ちわかります。もし今そういう岐路にいる先生たちがいたら、めちゃくちゃ肯定します。

自分といっぱい向き合って決めたこと。
勇気を出して自分の人生前向きに
選択をして進む道なら絶対後悔はないです!!

応援しています。

一方、、

ただ、まだ自分と向き合ってなくて、何だかよくわからないけど、このポストに心揺さぶられている人、自分の立ち位置、足場がぐらぐらしてよくわからない人、特に若者、このポスト見て「そういうもんなのかぁ。」と素直に思っちゃってる人は、

そういうもんじゃないです!!

これから目の前の仕事をこなしながら、
よく自分と向き合った方が良いと思います。

環境や経験、考え方、人生における幸福の感じ方も、
当たり前ですが同じ医者でも個々違うはずなので。

私が向き合って脳内会議した昔の記事はこちらです。

医者として医局に所属して得られるメリットも必ずありますので、勢いのある他人の意見に流されず、これからの自分にとって何が譲れないのか必要なのか、それは医局で得られるのか所属して利益になるのか、不利益になるのか、向き合ってくださいね。

こちらの方も応援しています。

おわり

限界外科医先生のポストで、主語が大きく見える…そういうことじゃないような?と思ったので考えてみました。

限界外科医先生個人の意見を否定したい、ということではありません。私も消化器外科の先生ほどではないですが激務で、一時精神的にやられていましたので、今後の限界外科医先生が仕事に忙殺されず、楽しく生きられるように、個人的に応援しています。

人によって「医局辞めたらよかった」かどうか、は

個々によって違うし、
人の心理には選択支持バイアスがかかってしまうし、
人は他人に本音を言わないものです。

だから自分と向き合って他人の言葉に惑わされず、自分の中の意見を聞こう、という話でした。

誰かの参考になれば。
それではまた。


私の印象に強く残った消化器外科の先生の話もあります。
こちらです。


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医者仕事やりながらなので、枠はいつも少ないですが、ご興味ある方はこちらの記事読んでみてください。


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