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転職時の病院探しについて


現在フリーランスをしてる40代の女医
なつ🌱です。

みなさんは病院探しはどうやってますか?

大学医局に所属している方は、
定期常勤も定期非常勤も大体医局が手配してくれるし(命令とも言う)
医局によっては医局を通さないバイト禁止、
なんてとこもあるかもしれないですが、

皆さん何だかんだ医局関連じゃない非常勤バイトも、病院探しをしてちょこちょこやってますよね?

私も若い頃や医局やめた時に、非常勤・常勤の病院探しをしました。

今回は勤務医として、
スポット非常勤ではなく
転職時の常勤、定期非常勤の病院探しについてのお話です。
(ここでいう「転職」は職業を変えるではなく職場を変えるという意味でお願いします。)


どうやって探すか?

病院探しはこの3つだと思います。
他にもあったら是非教えてください。

①人脈・コネ
②医師派遣紹介業者
③個人で直接連絡を取り交渉する

①人脈コネを使う

探し方としてこの人脈を使う探し方が1番多いと思います。

私もレジデントの時に上の先生のコネで、
こっそり医局に内緒で寝当直バイトを
振ってもらって行ったりしました。

常勤や定期非常勤の転職の場合は、
人脈やコネを使って希望先の病院の医師とつなげてもらい、相談してから病院事務と面談、契約します。

転職する側も受け入れる側も変な人とは長く働きたくないし、ブラックな病院も嫌ですよね?

人間関係も雰囲気も給与待遇も事前に知人を介してお互い情報を知ることができて、転職者が比較的楽に転職できるのが人脈、コネを使用する方法です。

医局派遣で出向するというのも、究極の人脈コネの使用かもしれないですね。
(教授、医局という名のコネ、、、)

この方法のメリットでありデメリットであるところは、人脈、コネは
今までの行い・信用が全てですので
良い先生から早く売れる
ということです。

「良い先生」とは、、、
思いつくのを上げてみると、

臨床経験が十分ある先生。
真面目な先生。
こつこつ働く先生。
頼りになる先生。
人当たりが良い先生。

良い先生、大好き.com

これに全て当てはまる先生が転職しようとしていたら、人手不足の病院側勤務医の立場だったらすぐ来てほしいですよね。

逆を言えば変な先生
(反対ですね、医療が危うい、働かない、清潔感がない、スタッフとトラブルを起こす)
は、仕事が増えるので人員不足があってもむしろ来てほしくない、どうにか入職してくるのを阻止したいです。

人脈・コネを使う場合は間に入る人も医者であるケースが多く、その先生の面子もあるので、間に入る先生も変な人は紹介したくない。
もし自分が変な先生、と思われてしまった場合は、その時点で知人の先生にはねられる(求人があることさえ教えてもらえない、あぁ、悲しい)んですよね。

結局、人脈・コネの使用が転職の時に有用な先生は、
信用の高い中堅以上の先生
>経験値は浅いが働く若手
>評判の悪い高齢の先生

の順になりやすいです。

若手は経験値なくて転職不利かと思いがちですが、「若い=働く」と思われる、ということもありますし、病院経営側にとっては若い方が給与を安くできるし、医者人生が短くまだ悪い評判も良い評判も立っていないので、判断材料がなく比較的すんなり転職できます。
(受け入れる勤務医側としては、ここにたまに地雷がひそんでたりする印象ですけどね)

あと、若手で30前後の女性の転職は、コネでも紹介業者でも、病院側の管理職の考えが古ければ、妊娠され産休育休になったら困ると、それだけではねられる場合も無きにしもあらず、、、
ですが、そんな女性蔑視の病院はハナから行かなくて良かったと思うしかないです。

というわけで、人脈コネを使った病院探しは、
医者経験年数が長い人ほど
今までの医者としての評価
もろに出てしまうこともあります。

自信がない人は次の②に行きましょう。

②医師派遣紹介業者

次は、医師派遣紹介業者です。
業者に求人かけている病院を紹介されてマッチング、就職する先生もたくさんいらっしゃいますよね。

こちらも人脈コネと同様、スタンダードな病院探しの方法ですね。

紹介業者の良いところは、とにかく情報が豊富。給与・勤務待遇や職場の雰囲気など、複数の病院を並列で比較できるところです。

人脈コネがいっぱいある先生は業者使わなくても複数職場の選択肢があるかもしれませんが、大体は人脈だけではそんなに候補ありませんよね。
紹介業者経由だと、病院ってこんなにいっぱいあるんだ、、と感心します。

紹介業者の登録については、転職活動を始めないうちから登録だけでもしておいたほうが良いです。

実際、常勤医の詳細な求人情報(病院名称、給与待遇情報など)を得るには紹介業者との面談が必須となることが多いですが、
スポットの非常勤情報(病院名や待遇詳細)はネット登録だけでネット上で見れることが多いです。

自分の希望のエリアで
最近の給与相場やどこが人手に困ってるなど、月に一回でも眺めているとだんだん分かってきます。
(こんなにスポットを頻繁に求人していたら、常勤医も募集しているだろうな、とか。)

また常勤医師募集の際は詳細情報は伏せられていることが多いですが、頻繁にネット情報を眺めてると病院名称がわからなくても、自分の知っている地域だと大まかな情報からどこの病院か結構分かったりします。

登録するのは無料なので、今の職場辞めたいなーとふわっと思った段階から登録だけはして、たまに求人情報を眺めるのが良いと思います。
(仕事で理不尽なことがあっても、いつでも辞めてやらぁ、と思うだけで気が楽になったりしますよ、、、)

また、紹介業者経由のもう一つ良いところは、
個人1人だけで病院側と交渉しなくて良い、相談できる味方ができる、ということですね。
転職活動時は給与や勤務形態など納得いくまで交渉したいところです。

経験が浅い先生や、交渉が苦手な先生は業者経由がおすすめですね。

一方デメリットは何といっても紹介手数料です。もちろん転職する人材からはお金とられませんが、病院側は結構な額取られます。
(人材派遣の紹介手数料は紹介者の契約年収の35%が一般的だそうです。年収1000万で契約したら、、、350万病院が払います、、、)

ということは、転職活動中に提示された月収や年収を交渉したい場合、莫大な紹介手数料がかかっているため病院側は交渉拒否することもあるのです。(手数料かかるし、これ以上費用かけられないよー、って感じですね)

経営する病院側としては業者経由なしで、①の医者の人脈で紹介して転職してきてくれた方がウェルカムで、給与交渉の余地もあるんです。

あとは、これはもう紹介業者によりますし、派遣会社ではあるあるで医師派遣に限ったことじゃないのですが、
紹介業者も慈善事業じゃないので、契約成立しないと売上が立たないんですね。
どんなに親身になって相談に乗って、その人に合う病院がないな、、、となっても、最後何処かの病院と契約しないと、紹介業者の売り上げがなくなってしまいます。
そこは商売なので、ある程度は親身になって相談乗って交渉しますが、決められた目標期間内にはどこかの病院と契約させようとしてくるんですね。
なかなか決まらないと業者の方も、契約しないと、と焦って、あんまり希望に沿わない勤務先でも、もう見つかりませんよ!と契約を煽ってくるかもしれません。(全部が全部そんな悪い会社じゃないと思いますが、そんな会社もあるとは思います。)

なので業者経由の病院探しも、メリットデメリットしっかりありますので自分をしっかり持って判断していきましょう。

それでは最後です。

③個人で直接連絡を取り交渉する

最後は自ら自分を売り込み営業する方法です。

家から近い、この医療がしたい、
この先生と一緒に働いてみたい、といった
あーあそこの病院で働けるといいんだけどな、
という職場がある場合。

でもその病院からは紹介業者の求人も出ていない、
とりあえずコネもないといった場合は
個人で直接連絡、飛び込み営業をします。

手順としてはまず病院ホームページを見ます。
どんな先生がいるか、どこかの医局関連なのか、入り込む余地がありそうなのか。他科の医師もチェックして連絡の取れそうな知り合いはいないか入念に調べます。

できれば①の人脈の方法で、病院内の勤務医までつながった方が、
転職の成功確率は高くなるのでここの情報戦は頑張ります。
繋がれれそうな医者がいたら同期や友人などにお願いして、どうにか連絡をとるようにします。

この情報戦に勝つために上記でも書きましたが、②の紹介業者に早めに登録しておいて、半年くらいの間たまに求人に目を通しておけば、こちらからもいくらか情報は手に入ります。

本格的な転職活動の面談はしていなくても、紹介業者のネット閲覧のみでも、人手不足があるかないかなどはスポットバイトや非常勤の求人募集を見ていれば分かるので、やはり業者のネット登録はしておいた方が良いと思います。

情報を集めても、それでもどうしても①のコネがない場合は、
勇気を出して飛び込み営業をかけます。

具体的には病院ホームページの人事担当お問い合わせメールから。
連絡先がなければ病院人事に電話です。

「〇〇病院××科□□です。今後貴院で働きたく考えておりますが、貴院××科で求人募集はありますでしょうか。お返事頂ければ幸いです。」
的なことをメールで書いたり、電話でお話しすれば大丈夫です。医師何年目とか資格を添えるといいかと思います。

現職の〇〇病院を言いたくなければ最初の営業では言わなくても良いと思います。求人しているかどうかをまず聞きたいだけなので、
自分の個人情報をあまり渡したくないですよね。最初のコンタクトは名前と専門科と何年目か、くらいでいいかもしれません。

もし、求人していて一度面談を、、という話が来たら、その際にきちんとした履歴書を作成して提出すれば良いと思います。

この方法のメリットは

コネのない病院、
業者紹介にのってない希望の病院に
業者を通さず
(紹介手数料を取られない=病院側の負担が軽い=自分の給料上げる交渉がしやすい)
転職活動できること。

医者の苦手な営業、、、

デメリットはもともと業者に求人をかけていないような病院なので、
連絡取っても人手充足の場合は
事務の時点で即断られる可能性が高いです
ダメ元でチャレンジ!!という感じです。

あとデもうひとつメリットといえば、
情報集めも病院側との交渉も完全に1人でやらなくてはならない
ということでしょうか。
交渉事が苦手な先生は無理にこの方法にせず
業者を使用した方がいいかもしれませんね。

またこれはしょうがないですが、かなり怪しまれることもあります。コネなしで個人で営業かける医者は珍しいですので。

個人で営業するなんて恥ずかしい、
断られる確率が高いなんて精神的に嫌だ、
と思う人はこの方法は向いてないですね。


まとめ

勤務医転職時の病院探しの話でした。

あなたはもし勤務医として今の職場を辞めるとしたら
どの方法で病院探しをしますか?

ほとんどの人は①と②だと思いますが、私は③で定期非常勤先をゲットした経験がありますので③も結構おすすめです。

人脈さえあれば①がリスクも低く、待遇の交渉もしやすくて良いんじゃないでしょうか。

常勤勤務希望ではあるけど最初から常勤でなくともいいなら、一度定期非常勤でその病院に出入りして、働きや人柄が認められると常勤に来ない?と誘われたりすることもあります。
職場の雰囲気も分かりますし、もう実際短い時間ですが働いていますし、良い転職活動の流れとも言えます。

あと、これはぶっちゃけどの方法でもそうなんですが、
転職時は今までの医者としての行い、経験や人柄、評判、
がモノを言う世界であります。

評判の良い先生は本当にすぐ就職が決まります。
こういう先生はヘッドハンティングもあるかもですね。

問題は悪い評判の先生です。
人脈コネではない場合でも、今までの経歴や人柄、評判など、受け入れ先の先生たちにかなり調べられることが多いです。
受け入れ先の先生たちもできるだけ「良い先生」をいれたいですから、その先生を知ってる知人はいないか調べることが多いです。
特に今はネット、SNS時代ですしね。

ただ、ヤバすぎる評判だと難しいですが、ちょっとした悪い評判はあっても、実際一緒に働いてみないとその人のことは、真実は分からないと皆わかっていますので、
少し悪い評判や噂があったからといって
全て拒否されるわけではありません。

なので、もし自分が今まであまり良い評判がないだろうな、と自覚がある人は、まず今の職場でしっかり働くこと、そしてまた次運良くご縁があったところで就職できたらまたそこで懸命に真面目に働けば
悪い噂はすぐ挽回できると思います。

結局、、、どこでも、一生懸命真面目に働いてると道は開けます。

みなさん応援しています。


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なつ🌱女医
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