
積み重ねたものを手放す勇気
40代の女医なつ🌱です。
こんにちは。
先日「人生にはしのぐ時期がある」
という記事を書きました。
自分の目的のため、それとも家族のため、はたまた色々な物事がタイミング悪く重なったりで、急に苦境に立たされることもありますが、
この苦境を長く続かない続かせないと思い込むと共に、とにかくその場をなんとか凌いで乗り切れば、違うステージが開けるよ!今現在しのいでいる人、頑張るんだ!
の気持ちで、記事を書きましたが、
一方どうあがいても
どう考えても
その苦境に終わりが見えない時は
どうしたらいいんでしょうね。
今回は「しのぐ」とは違う視点で
考えてみようかと思います。
いろんな困難、苦境
何かを得たい
ただ日々の食い扶持を稼ぎたい
誰かのために
自分のために。
何かしらの目的のために、人それぞれ人生には困難や苦境がありますよね。
困難や苦境、色々あれど、
「しのぐ」方がいいのか
「手放す」方がいいのか、
この違いは終わりが見えるかどうか、
だと個人的には思っています。
期限が見える場合は大いに苦しんでしのいで、努力すれば何かしらは得られることでしょう。しかし、その苦しみの期限が見えない場合、目的すら霞んでしまうことがあります。
たとえ確実な期限がわかっていなくても、「多分大丈夫」「困難は人生の楽しみの一つ」と思えるなら良いのですが、そう思えないとき、出口が見えないまま苦しみ続けるだけなら、「しのぐ」ことに意味があるのか疑問です。
思考停止でただ耐え続けていたら、
あなたの人生の大事な時間が
苦しむ時間として消費されていくでしょう。
手放す選択は「失敗」ではなく「希望」。
終わりが見えない、どう考えても出口が見えない時、それは「やめる」「手放す」選択をするときかもしれません。
私たちは幼少期から無意識に「やめる」「手放す」をしてきたはずです。
野球をやっていた少年が全員メジャーリーグに行きますか?アイドルに憧れた女子が全員芸能人になりますか?中学高校大学の受験、第一志望の選択は偏差値トップの学校ですか?東大医学部に皆入れましたか?入学後の猛者たちの中、成績は上位をキープできましたか?
多くの人ができていませんよね。
医者になるまでに私たちは、良くも悪くもある程度の競争社会で「現実」を叩きつけられ、自分の素材や潜在能力を理解し、無意識にやめたり、手放したり、「選択」をしてきたはずです。
やめたり手放したりすることは、失敗ではありません。次の選択肢を考えるきっかけになり、未来の選択肢が新たに選べることは、今後の「希望」そのものです。
医者は諦めることが苦手。
私たち医者は自分で言うのも何ですが賢いと思います。一定以上の知能がないと医学部受験、医師国家試験をパスすることはできません。
私も医者生活を送っていて、医者同士の会話で「さすが医者だな、賢い、地頭が良い。」と感心してしまう先生は多くいます。
賢いことに加え、医者になるまでに、個人個人小さな諦めや妥協はあれど、世間から見たら「医師になる」ミッションを成功させた賢い成功者とみなされます。そして働き出すと医療職種の中では、一番上の指揮する層に配置になります。
賢い成功者、指揮する立ち位置。
それ故私たちは自分のことを驕ってしまう場合があります。それは他者に対しても、自分に対してもです。
医者の自分はこれくらいできるだろう。
医者になったのだから、これくらいの仕事こなして当たり前だろう。
医者は体力なきゃ、寝なくても平気でしょ。
医局に入ったら医局のレールを走る、できないはずない。
医者はいつまでも死ぬまで、医者として働ける、働かなきゃ。
医者になった先輩はみんなやってるんだから。
自分のことを一人の「人」じゃなく、一人の「医者」として見始める、自分で自分に無意識に「医者の呪い」をかけ始めるんですよね。
学生までは、その都度自分の持っているものを見比べて妥協、諦めができたのに、「医者」という呪いのせいで、「諦めること」ができなくなっていく。医者はこと自分のことに関して諦めることが苦手です。
何ででしょうかね。医者になったからといって、 個々の個性や考え、体力に違いがあるのは当たり前で、医局に入ったからといって皆が同じレールを走らなくてもいいのに。これも大学病院や学会など、時代が上の先輩たちが、押し付けてくる医者のロールモデルが原因なんでしょうか。
サンクコスト
諦めることが下手な理由には、自分を「医者」と思う呪い、医者ロールモデルもありますが、あともう一つあります。
これまでの人生で「医者」になるために自分の時間を捧げてきたという自負、いわゆるサンクコストです。
あんなに「自分の時間と労力とお金」を
差し出して医者になった。
せっかく目標である医者になったのに、
今が辛いからって、出口が見えないからって、
諦めたり戻るわけにはいかない。
どの世界でも、このサンクコストの呪いも厄介ですね。
積み重ねたものを手放す勇気
いろんな呪いでがんじがらめになった医師に必要なのは手放す勇気です。
幼少期は覚えてないくらい「手放す」を繰り返したはずです。大人になると、徐々に時間の流れがゆっくりになり、積み重ねた時間も多くなり、打算的になり、サンクコストが惜しくなります。
そこで、大人になってしまったつまらない私たちが「手放す」には勇気が必要になります。
まずは、患者の身体的評価をするのと同じように、自分の状態を他覚的視点で丁寧に評価します。
患者さんは自分が診れなくても他の医者が評価してくれるかもしれませんが、自分の人生の現状評価、今後の選択肢の選考を包括的に丁寧に考えてくれるのはいつも自分しかいません。
勇気を出すには、とにかく自分と向き合い話すことです。
丁寧に向き合って考えて出した答えが、終わりの見えないトンネルからの脱出だった時は、自分で丁寧に考えた分、勇気が出やすいです。
(新たなサンクコストだ、、)
トンネルからの脱出だった場合は、諦めや妥協に一時的には思えるかもしれませんが、その選択は幼少期と同様に、未来への人生の希望です。
自分軸は幸せのために大事な考え方
自分の評価、今後の選択を丁寧に考えるのは自分だけ。
これは自分軸の考え方です。
人によっては評価できない、選択の正解が欲しい、誰かに決めてほしい、と自分で全て決めるのが怖くて頼りたくなるかもしれませんが、誰かに評価、選択を委ねるとそれは他人軸で生きていくことになります。
実は他人軸で生きることが向いている人もいます。あまり考え込むことが好きではない人、どんな環境でも楽しめる人ですね。急にアフリカに連れてかれても楽しめるような人です。(結構羨ましい。)
しかし、あまり思考しないタイプの医者は珍しいです。ちょっとめんどくさいくらい論理的で多少考え込んでしまうことが多い医者の私たちは、自分軸で生きた方が幸せを掴みやすいと思います。
今一度、自分軸で考えたあなたの人生の目的は何ですか?
私は、
自分が幸せを感じていたい。
いつでも、そのための努力をしていたい。
自分がどう考えるか感じるのかが一番大事で、職業は二の次。
もし私の考えに共感するところがあり、そして今出口のどうしても見えないトンネルにいると気付いたなら、未来への希望のために、「しのぐ」のをやめて、積み重ねたものを手放す勇気を出すときかもしれませんね。
まとめ
あなたの幸せはなんですか?
幸福度を上げる生活のために何をしますか?
私はこういう質問の答えを聞くのが好きです。
個々で全然違って個性が出るからです。
医者のロールモデルとは真反対です。
(職場ではなかなか質問しづらいけど)
自分と向き合う
自分の現状を自分で評価する
自分の幸福には何が必要か考える。
そして未来の希望のために選択する、
積み重ねたものを捨てるくらいの勇気を出す。
全く考えていない人も沢山いるし、「何かをしのぎ中」の人は考える余裕もないかもしれないけど、自分軸で考えることは自分の幸福度のためにとても大切なことなので、少しでも余裕が出た時、しのいでもしのいでも出口が見えなくて行き詰まっている時は、時間をどうにか捻出して考えて欲しいです。
応援しています。
それではまた。
ちょっと似てる話。持たざるワーママ女医の取捨選択の話です。
医者ロールモデルに怒っている話。
前も紹介したかもしれないけど、大寒波のこの時期も手放せない靴下。
え、ピンクかわいい、、、
外でも履きたい衝動を我慢してる。
お家ぬくぬく靴下おすすめです。
いつも使ってるカイロ。
4パックでドラッグストアと同じ金額かな。
いいなと思ったら応援しよう!
