勤務医はなぜマネーリテラシーがないのか?
40代の女医なつ🌱です。
こんにちは。
本日はまたまたお金の話です。
医者ってお金の知識ない人多いと思うし
自分も過去そうだったな、と痛感しています。
医者は自己研鑽のため目の前の患者のために
医学を懸命に勉強します、よね?
ガイドラインが変わるたびに
知識を入れ替えアップデートします。
単純に
お金に関しても同様にすれば良いと思います。
医者に限らず、
お金の勉強は自分の仕事と同じくらい
人生において自分らしくいるために
とても大切だと思います。
医者になる頭を持ってすれば
金融や税の知識なんてすぐ身につきます。
なのになぜ医者のマネーリテラシーは低いと言われ、
詐欺師たちの鴨にされやすいのでしょう。
そもそも医者(特に勤務医)は何故お金の知識が疎くなってしまうのか?
それは私たち医者の職業特性が原因の一つだと思います。
今回はそんな医者のマネーリテラシーがない理由を
私なりに考察してみます。
義務教育でお金の勉強がない
医者に限らず
義務教育で具体的な税金の授業がありません。
社会科で社会保障や租税の仕組みの話はしてるのかもしれませんが、
正直わたしは全く覚えてません。汗
所得税住民税の存在は知ってるけど、
将来サラリーマンや
個人事業主となったときに
給与や売り上げの個人所得のうち
どう計算されていくら税金が取られていくのか
最終の自分の手取りがいくらになるのか
全くわかりませんでした。
みなさん自信持って自分で計算できますか?
義務教育卒業後すぐ働く人もいるのに
税金に関する義務教育の放置たるや国も大胆というかなんというか、、、。
自分の自治体基準で計算でもして
中学生くらいで教えて欲しかったです。
兎にも角にも
義務教育が終わった段階の日本人には
社会で戦うための「税金の基礎知識」が
不足しています。
またまた余談ですが、2022年から高校の家庭科でお金の授業が始まったそうですね!
どんな教育なんでしょうね、続報を待ちたいと思います。
医者の仕事のやりがいがありすぎる
覚えある人多いですよね。?
「無給でも仕事をやってしまうかもしれない。」
医師の仕事はそんな危険性を孕んだやりがいのある仕事です。
(ある意味とても幸せな仕事なのですが。)
サラリーマンで「詐欺まがいのクズ商品を売らなくてはいけない」
などモチベーションを保つのが大変な仕事とは違って、
ただその反面、病院の経営体制が
やりがい搾取で成り立っているところもあり
そんなことを考えたら手当なしでも
休日出勤する選択肢しかなく
お金は二の次になりやすいです。
私たちの中で、働けば働くほど、お金の価値が薄れていきます。
特に若い時は、このやりがいに加え、
自己研鑽しなくては!という必要性・気概も加わるので
仕事>>>お金
になりがちです。
もしかしたら、お金のことをあれこれ言うのは下品。お金より患者思いの医者である私!に酔いしれてる先生もいらっしゃるかもしれません、、、。
何となくで家計が成り立ってしまう
仕事にやりがいがあり
お金の勉強もせず病院に入り浸り。
忙しくて使う暇もないから
貯金が勝手に貯まっていく。
そんな先生も多いのではないでしょうか。
もしくは本人や家族が浪費家なんだけど
休日はバイトをたくさん入れて稼いでいれば、
浪費を続けても貯金は少ないけど破産はしない。
どちらの医師もまあまあの高収入があれば、
家計について何も考えなくて無計画でも回っていく。
浪費家のどんぶり勘定でも家計簿なんてつけなくても
医者として働いてればどうにかなってしまうんですね。
比較的若い医者で家計が赤字となり回らなくなるのは、ひどい浪費家でしょうね。
困らないから勉強しない。医者の給与事情。
若い頃に(レジデントになったら)
他の業種より高い給与をもらえてしまうため
若い時から何となくで家計は回っていきます。すると、お金の勉強する必要性がありません。
若い頃にお金で辛い思いしないから
ますますお金の勉強しない。
これが医者のマネーリテラシーのなさの根本原因です。
でもこの医者の給与の変遷って特殊ですよね?
他の業種は新入職から20歳台の時に
給料が低く徐々に給料上がっていきますから、
一般の人は若いお金がない時にで節約の方法だったり税金だったり、お金の勉強をするんですよね。
ここで医者と世間との
お金の知識の差がついていきます。
特に非常勤給与。
常勤医の給与は一応年々少しずつは年次で上げてくれると思いますが、
非常勤給与は私がこの20年弱見ていて、ほぼ同じ水準です。
非常勤とはいえ3年目とほぼ同じ給与は精神的にもかなり厳しいです。
処置手術ができるなど専門性が加わればまた給料も変わりますが。
常勤でもママ女医として時短勤務していた頃は、給料を保証されている最近の研修医と同等しかもらってない時期がありました。
診療を若い先生と二人羽織して日中の責任もリスクも全部背負っているのに、当直した研修医の給与より安いことを知った時はなんだろう、これ、、、と思いましたね。(ママ女医は安く叩かれる、、、)
要は医者の給与の特徴として
若い時からある程度の高収入になれるけど、
勤務医である限り、人と一線を画す専門性がない限り
勤務医としての収入は
年齢を重ねたところで他の業種ほど伸び代がないということです。
勤務医として収入の伸び代を増やしたければ、
他の医師と差別化できるほどの高い専門性を身につけるか、労働時間を差し出してさらにバイトをするしかないのです。
そして退職金もたいしてもらえないことが多いです。あちこち病院を変えて、一箇所での勤続年数長い医者はあまりいないので、そうなると退職金は多くなりません。
そもそも病院の退職金、というのは一般企業と比べ低いです。
(公務員と見なされる公立病院勤務医は分かりません、例外はあると思います。)
勤務医は経営に関わらない
「若い時からお金に困らないためお金の勉強をしない」に加えて勤務医は仕事上で会計に関わりません。
医療職ではない一般のサラリーマンは
仕事内容や勤務部署にもよりますが
経営、会計に関わることもあります。
役員になると経営側に回りますし。
勤務医は科長であれば病院経営の意識も芽生えますが、一勤務医であればDPCの話や、医療機械消耗品を節約して費用を減らそう!
くらいの経営意識です。
病院事務が、週1非常勤3人は嫌がらないのに
週3非常勤1人を嫌がる理由わかりますか?
わからない人はこの記事↓
損益計算書、貸借対照表など簿記会計知識もないですし、そもそも病院経営に関わる税金の知識もないのです。
(開業でもしなければ、知らないのは当たり前とは思いますが、、、)
基本的に勤務医は経営を論じる基礎知識がないので、病院事務側からは相談しても意味がないと判断され
経営に関わらせてもらえない、
診療だけしといて、、、
というような
またまた、お金の勉強の機会を逃す悪循環に陥ります。
(ここで病院経営側・事務側と話し合うために奮起して勉強されてる先生ももちろんいるとお思いますが少数ですよね。)
要は、
医者は、
仕事上でお金について考える機会
学ぶ機会が少ないのです。
マネーリテララシーのない勤務医がその後どうなるか
医者といえどお金に関して無計画な生活をして
家計が回るのは若い時だけ。
その後このようなマネーリテラシーのない勤務医がどうなるかというと
ご家庭を持った中堅の先生は、確実に徐々に
家計が苦しくなります。
特にお一人大黒柱で子沢山のお家は顕著です。
その時になって
こんなにお金がかかるのか?
医者の給料があれば大丈夫だと思ってた
物価や教育費はインフレしているのになんで医者の賃金は変わらないんだ?
と、気づいても遅いのです。
若い頃にお金の勉強をしていればその頃には余裕資金を準備できていたかもしれないのに、何もお勉強していなかったので無計画に買った家の住宅ローンや子供の学費が家計にのしかかってきます。
そして賃金が伸びない(地獄)
そうなってくるともう
家族に、生活費や学費などの制限をつけるか
「どんな状況になっても身を粉にして働き続ける」
という選択肢しか残されていません。
上記の問題が出ても
余裕資金がないため仕事を減らす選択肢がなくなります。
書いてて怖くなりました。
私はそんな医者人生、嫌です。
意識付けしてお金の勉強が必要
ちょっと大袈裟に書いた気がします。
みなさん医者になるくらいなので、そこまで思考停止人間ではなく
大多数はどこかで気づいてお金の勉強始めたりファイナンシャルプランナー(FP)さんに相談したりすると思います。
でも地味に職場に一人はこういうお医者さんいる気がします。
50-60台。経済事情は言わないだけでこっそり。
時々「子供の学費かかって大変だよーまだまだ働かなきゃ!」って、
言ってる上司いません?飲み会大好きで良い時計して良い車買ってローンいっぱいの戸建て建てて、美人の専業主婦の奥様がいる、、、おぉっと、やめとこう、、、冗談じゃなくて意外と切羽詰まってるかもしれませんよ。
(私立医学部とか法外な教育費ならそりゃ仕方ないと思うけど、、、)
とにかく、私が思うには
FPさんもいいのですが、それよりも!
若い早い段階でお金の勉強して
若い時に分相応な金銭感覚を身につけて
自分自身にマネーリテラシーをつけた方が
良いと思います!
(正論だよ!)
若くしてお金そこそこ持ってるから、詐欺師もうじゃうじゃ寄ってくるしね。PHSにかかってくる不動産営業の電話まじうざいよね!!
若い頃は働きながら医学の勉強もあるしで本当に忙しいので、
「お金の勉強は必要なんだ!!」と
しっかり意識付けをしての勉強
が必要になると思います。
上記に長々書いた通り医者がお金の勉強をしない理由はいっぱいありますからね。
お金の勉強何からすればいいの?
って思うかもしれませんね。
余力あればそのうちまた他の記事で書きますね、余力があれば、、、
あ!とりあえずFP3級の勉強もいいかもしれません。
資格試験は受けなくても読むだけで本当にためになりますよ。
おわりに
今回は勤務医がマネーリテラシーがない理由と
お金の勉強しない勤務医の末路についてお話ししました。
浪費したつもりはないのに、50代60代になっても、もうやりたくない仕事にまで無理して自分の時間を差し出してお金に変える人生を送りたいですか?
私は医者の仕事が好きですが、自分の人生の都合で休みが必要な時は休める選択肢が欲しいです。
仕事と計画性のない浪費のためだけに
自分の人生の時間を強制的に使い果たしていくのは嫌です。
医者の懐事情というものは、
年齢が増すにつれて、、、
支出が多くなる割に収入は増えず家計は辛くなるばかり。
と実感すると思います。
医学もお金も勉強ばかりで大変ですが、自分の人生の選択肢を増やすために若い時から頑張りましょう。
若い時の勉強、習慣づけって本当に大事ですよ。私ももっと早く気づけばよかった、、、と思っています。
やっちゃった系の一例報告のように
医者人生の失敗症例、屍(しかばね)たちを乗り越えてってください。
それでは、また。
そうだ、お金の勉強といえばこれでしょう。
社会保障、税金、節約、保険のことに関する初心者のための本です。
少し前の本ですけど、紹介しておきます。
サポートありがとうございます! めちゃくちゃ励みになります!!