「妊娠出産は命懸け」ポストで感じたこと②
40代の女医なつ🌱です。
こんにちは。
この記事の続きです。
軽い気持ちで書き始めたのに、色々考えて、いっぱい項目ができてしまったので、2回に分けました。
回りくどく書きすぎてしまう、この病気を誰か治して。
それでは続きです。
このポストに関するお話でした。
前回は、一個人のポストに対して、何故あそこまで医師たちが反応し意見してしまったのか、考察しました。
今回は、またその視点とは別に、このポストから人との関わり方や考え方が勉強になったので、いつか子供と話せるように育児目線で見てみます。
人の気持ちは、その人だけの気持ち
今回の肝「妊娠出産は命懸け」という言葉の背景には、周産期リスクの統計的な話だけではなく、妊娠出産は辛い怖いといった感情や経験が背景にある。
ポスト主は、統計では周産期死亡率なんて低いから「そんな怖がりなさんな」って気持ちもあって「命懸け」と言う言葉に否定的だったんでは、とも思います。
しかし、人の感情、受け取り方は自由ですよね。
前回も書いたが、人が「負の感情」を言った時はその人の気持ちはそのまま受け止めたほうが良い。
事象に対して個人の受け止め方が、大袈裟かどうかは、自己主張しやすい人かどうか個人によるが、他人が判断することではない。せっかく吐き出してくれたんだ。「そっか、そうなんだね。」と受け止める。
それでいい。
人の気持ちを、そのまま「その人の大事な気持ち」として受け止めてあげられる人が良識ある大人だと思っている。
うんそうだよね、と頭では思っていても、けっこう無意識に人の感情を否定する大人はたくさんおる。
上記の指導医や母親の例のように、大人になったところで、他人の感情を優先することができず、無意識に人の感情を否定しがちする人は多い。
ほんと私も日々気をつけないとな、って思ってる。
気持ちのサインを見逃すと悲しい事故が起きるから、気をつけましょう。
学ぶべきは、保育士の先生たちで、さすが保育のプロ、いつも最初に子供の気持ちを丸ごと受け止めてくれる。「あー嫌だったんだね〜。」って。
一旦受け止めてから「それからどうするー?どうしたい?」って子供と一緒に考えてくれるの。
大人もテンポ感は違うけど、みんなこうすれば良いと思う。
感情を受け止めるのと、対策を講じるのは別の話。
人の気持ちの感じ方は自由なのに、勝手におせっかいで対策して他人の感情を封じて操ろうとするんだよね。また、大人の場合は対策するのは本人が自分なりにできるはず。そして自分で対策できないと子供のままだ。
というわけで、他人が負の感情を吐露した時は、
急に人の感情を否定せず、意見を求められた時だけアドバイスしたり話し合えばいいんじゃないかね?
人の感情を受け止める余裕もないし、愚痴の捌け口にされてると感じるなら、その人から距離を取れば良い。
嫌われたいなら感情を否定するのは正攻法だけど
みんな何故か大事な人に対して、良かれと思って真剣に否定したりするよね。
全然良かれじゃないし、ほんと意味わかんない事してんなー、っていつも思ってる。
今回のポストは、特定の「個人」を傷つけようと言ったわけではないし、アドバイスをしようとしたわけでもないと思うけど、
「妊娠出産は命懸け」と思っている女性層が読んだら、自分の考えや存在を否定されたと感じる言葉で、このポストで一定の層を確実に不快にする、傷つけることが、容易に想像できる。実生活で対面では絶対にしてはいけない物言いだとは思う。
(何度も言うように、わざと不快に、人の気持ちを傷つけようとした炎上商法なら大成功ですね。)
内省したら傷つけたであろう相手に伝える
このポストの炎上後に、ポスト主含めその周りの方々が、リプや引用で色々争って意見し合って議論されていました。
その一連を見てしまい、思ったのは
「間違えたら内省する」って大事。
「自分の言葉が上手く伝わらなかった、不用意な言葉で人を傷つけた、自分にも間違いがあった」と思ったら内省し、そして必ずしも謝る必要はありませんが、「自分なりに内省し考えました。」と伝えることが大切。
考えは違うままでもいいんです。
感情も思考も人の自由だから。
(人を傷つけたとか自分の言動が良くなかった、と、共感性が低く認識もできないなら、内省もできませんが。その場合はしょうがないですね。その人の限界です。)
伝え方は、その人によりバリエーションあるだろうけど誠意が必要。
無知を指摘された方の返信でみましたが、
「なるほど!面白い、壁打ちありがとうございました!」では絶対ない。
(身内のミーティングじゃないんだから、壁打ち、って表現普通に失礼だと思う、他所様の人だし、壁じゃなくて人だし。SNSってなんで他人への敬意なくなるんだろうね。まぁこれはどうでもいいことですが。)
「無意識に他人の感情を否定する」人も多いけど、この「他人に内省を伝える」ができない人も多い。
人の気持ちに対しての共感性が著しく低いと、他人の意図や気持ちを想像できずに、間違えた言葉を伝えてしまう。
これこそ読解力につながるのではと思う。
そして加えてプライドが高かったりすると内省を伝える行為が、屈辱的な謝罪だと思う人もいる。謝れない大人いるよね。パワハラ上司に多い気がする。ここまでくると手に負えない。
私は自分の子供に、内省できる、内省後に相手に伝える、そしてその言葉を相手の気持ちを思い遣って選べる人になってほしい。
これは私ができなければ、子供に偉そうなことは言えないだろう。
日々人として努力するしかない。
根気強く認識違いを優しく伝える方もいる、控えめに言って神。
今回炎上ポストを見ている時に、リプで優しい先生も発見した。
医者に叩かれた(まあその通りなのだが)と言っているご本人に、「私は貴方を否定していません、お互い事情があります。」と様々な周産期事情を説明しわかってもらおうと、争おうとしない建設的な話し合いを望んでいた。
言葉使いが丁寧で本当に優しかった。
SNSでこんな優しい人もいるもんだ、と久々に心洗われるような気持ちだった。私はそこまで優しい人間ではないので、そのような存在になれる気はしないが、もう少し心の余裕があったら、少しでも彼女のようになれるのかなと思いを馳せていた。
こういう女医さん、現場にいると本当に重宝するというか、ギスギス医者たちの緩衝材になるというか、とにかく必要な存在ですよね。
まとめ
私が今回の炎上ポストで感じたことを取り止めもなく書いてみました。
他人の気持ちをそのまま受け止めること、人に自分の意図を伝える際に手法を誤ってしまった時のその後の対処、今後成長する子供と話すときのために勉強になったなと思う出来事でした。
勝手に人の争い見ては、またこうやってぐるぐる考えています。
人間は面白いです。
しつこいけど、私個人の意見は「妊娠出産は命懸け」と認識して産婦人科医の指示に従い周産期管理しましょう、です。ちなみに私の出産入院時の助産師さんに聞かれるバースプランは、「母子と共に健康で」と書きました。それ以外に、まじで望みはなかった。それほどお産と言うものをシビアに考えてました。
みなさんのお産が安産で母子ともに健康にお子様と会えますように、お祈りしております。
それではまた。
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