理学療法士のお金の問題〜知っておきたい事実〜
こんにちは、運動器認定理学療法士のTaukuです!
今回は、理学療法士が知っておかなければいけなお金の話です。これからのPT人生を考える上でも大事な観点なので、ぜひみていってください。
PTって年間どのくらい売り上げるのか
基本的には病院に勤務しているPTが多いと思うので、今回は病院に勤務して健康保険が適用されている中で仕事をしている人をイメージして書いています。
一般的によく言われることだけど、サラリーマンは会社の売り上げや経費などに関心が低い人が多い。それは、与えられた仕事をこなせば給料がもらえるから。
私たちPTも今一度、自身が挙げている売り上げをしっかり確認していくことは重要だと思うので、かなりざっくりの計算だけどまとめてみます。
診療報酬制度を振り返る
病院も非営利事業ではないので、医療というサービスを提供し、その対価として患者さんから報酬をもらい、病院を運営してきますよね。以下の条件下でPTが1年間でどのくらい売り上げるのか、ざっくりと概算してみましょう。条件は以下の通り。
整形外科で病棟勤務
術後早期から退院までを担当(平均1ヶ月くらいで退院)
90単位/週(年間平均で)
10実施計画書/月
次から、年間の売り上げを見てみよう。先に言っておくと、所属する施設や部署で違いがあるので、かなりざっくりであることはご了承いただきたい。
実際の売り上げは?
まず、1ヶ月間でどのくらい売り上げられるのか確認しよう。
・今回は90単位/週にしたので4wをかけると360単位
(185点+30点)×360単位=77400点
・実施計画書10人分×300点=3000点
・77400点+3000点=80400点
・80400点×10点=804,000円
今回設定した条件であれば、PT1人つき804,000円を売り上げる計算になる。これを12ヶ月分にすると、9,648,000円という計算です。
大体、1000万円くらいの売り上げが作れている計算ですね。
年収と売り上げ
病院も利益を作っていかなければ長期的な運営ができません。PTは利益という観点でどのくらい貢献できているのでしょうか。
年間で1000万円の売り上げからPTの年収を差し引くことで粗利が出せますね。仮に年収を400万円だとすると、1000万円-400万=600万円。多少の幅があると考えると、400-600万円くらいの利益が出せている計算です。
PTは売り上げの上限に一定の縛りがある
大なり小なり利益は出せることがわかりましたね。ここで抑えておかなければいけないのは、PTには取得単位に上限があることです。言わずもがな、108単位/週。
この単位の制限は「働く制限」に見られがちですが、視点を変えると「PTが作れる売り上げには限界がある」とも言い換えられます。当然、運動器リハⅠやⅡだけが取れる診療報酬ではなく、計画書もあるので完全な縛りではありませんが、メインなのでほぼ上限と言っていいしょう。
この上限が持つ意味を把握しておいた方がいいですね。
サラリーマンは基本昇給するが・・・
サラリーマンは、基本的に昇給ことが一応前提になっています。FP(ファイナンシャル・プランナー)にライフプランを作ってもらうとき、年間1%の昇給があることを想定して設計しています。年収400万円であれば4万円です。これはボーナスを無視するとおよそ3,400円/月程度。
一般的な企業であれば、年数を重ねることで人脈やスキルが上がり、それが商談成立や新規契約などにつながるでしょうが、PTは何年やっていてもどれだけスキルがあっても上限は108単位/月です。
つまり、年数が増えれば増えるほど(昇給すればするほど)1人もPTが生み出す利益を減らすことになります。だから、病院はなるべく若いPTを採用したいし、ベテランは出したいんです。
どこでも働けるスキルを身につけよう
だからこそ、スキルが重要です。
病院に縛られずに、患者さんを対応できるスキルを持つ。これが今後のPT人生を左右すると言ってもいいと思います。
ただ、既存の教科書や研修で聞く内容は、どれも一般的には事項が多く、ぼく自身は「このままでは患者さんを改善させられるPTにはなれない」と危機感を持ち、自分がいくべき研修ややるべきことを見直しました。
そこから得た知見や経験は、論文から得られるエビデンスではなく、患者さんを身体に本当に作用させることができるスキルとなりました。
このnoteでもそのスキルを定期的に発信していくので、興味があれば見ていってください。
それでは。